アルファベットの決算後に株価はどう動く?投資家が見るべきポイントとは

米グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)は、2024年第4四半期の決算を2025年2月4日(火)に発表します。市場が注目するこの決算は、AI競争の激化や設備投資の動向、クラウド事業の成長、さらには司法省の独占禁止訴訟の影響を含め、多くの要因が絡んでいます。

アルファベットの業績予想

ファクトセットの調査によると、アナリストのコンセンサス予想は以下の通りです。

  • 売上高:967億ドル(前年同期の863億ドルから増加)
  • 1株当たり利益(EPS):2.13ドル(前年同期の1.64ドルから増加)

この結果が予想通りであれば、アルファベットの業績は前年同期比で大幅に成長したことになります。

AI競争の激化と設備投資の増加

近年、生成AIへの巨額投資が続いています。
しかし、中国のAIスタートアップであるディープシーク(DeepSeek)が、米国のハイテク企業の投資額よりも大幅に低コストでChatGPTに匹敵するAIモデルを開発したと報じられました。これにより、AI開発コストの低下が市場に与える影響が議論されています。

アルファベットは2024年第3四半期に130億6000万ドルの設備投資を報告しました。
ファクトセットによると、第4四半期の設備投資額は132億6000万ドルに増加すると予想されています。

投資家は、今後のGemini(ジェミニ)シリーズの開発計画や設備投資の方針について、経営陣がどのようにコメントするかにも関心を寄せています。

検索市場とAI競争の行方

グーグルはこれまで検索エンジン市場で圧倒的なシェアを誇ってきました。
しかし、ChatGPTやメタ・プラットフォームズ(META)のAI技術の進化、そしてディープシークの台頭によって、検索市場の競争が激化しています。

2024年12月には、「Gemini 2.0 Flash」が発表され、前作よりも応答速度が向上しました。
ディープシークのAIチャットボットはGeminiと直接競合しており、経営陣がこの競争についてどのような見解を示すかが注目されています。

クラウド事業の成長

クラウドサービスも重要な事業領域です。
1月29日に発表されたマイクロソフト(MSFT)の決算では、第2四半期のAzureおよびクラウドサービスの売上成長率が31%と報告されました(前四半期は33%)。

ファクトセットの予想によると、アルファベットのグーグル・クラウドの売上は前年比33%増の122億ドルに達する見込みです。
ウェドブッシュ証券のスコット・デヴィット氏は、「グーグル・クラウドはここ数四半期で成長の原動力となっており、AI需要の拡大が引き続き追い風となる」と評価しています。

司法省の独占禁止訴訟

投資家は、アルファベットの決算発表後の電話会議で、米司法省の独占禁止訴訟に関する経営陣の発言にも注目しています。

2024年8月、裁判官は「グーグルが検索市場とテキスト広告市場で独占的な地位を維持している」との判決を下しました。
司法省は、グーグルの事業分割を視野に入れた対策を検討しており、これは同社の将来に大きな影響を与える可能性があります。

ニュー・ストリート・リサーチのアナリストであるダン・サーモン氏は、「市場はグーグルの検索事業に対するリスクをまだ十分に織り込んでいない」と指摘しています。
同氏は、アルファベットの目標株価を220ドルとし、「買い」の評価を継続しています。

株価の推移と投資判断

アルファベットの株価は、3日に0.8%下落し、202.35ドルとなりました。
しかし、2025年の年初から6.9%上昇しており、過去1年では41%の上昇を記録しています。

ドイツ銀行のアナリストであるベンジャミン・ブラック氏は、「ディープシークの登場により、アルファベットの今後のAI戦略がより注目される」と指摘しています。
同氏はアルファベットを「買い」と評価し、目標株価を215ドルと設定しています。

まとめ

アルファベットの決算は、AI開発競争、クラウド事業の成長、設備投資の動向、司法省の訴訟リスクといった複数の要素が絡み合っています。
特に、ディープシークのAI技術がグーグルの支出計画や成長戦略にどのような影響を与えるのか、投資家の関心が集まっています。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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