1月31日(金)の米国株式市場は、トランプ大統領がメキシコ、カナダ、中国に関税を課す計画 を発表したことを受け、投資家心理が悪化しました。このニュースにより、S&P500、ナスダック、ダウ平均株価はいずれも下落 し、特に貿易に関連する企業に影響が出ました。
以下は、31日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
アトラシアン (TEAM)
株価変動: +14.92%
詳細: アトラシアンは、チームコラボレーションやプロジェクト管理ツールを提供するオーストラリア発のソフトウェア企業です。2024年第2四半期の売上高は12.9億ドル(前年同期比+21%)となり、ウォール街の予想を上回りました。また、AI技術を活用した成長戦略を強調し、今後の業績拡大に期待が高まりました。これを受け、株価は急騰しました。
イーストマン・ケミカル (EMN)
株価変動: +7.53%
詳細: イーストマン・ケミカルは、特殊プラスチックや化学製品を製造する企業です。2024年第4四半期の1株利益が1.87ドルとなり、アナリスト予想の1.57ドルを上回りました。特殊プラスチックの販売好調を受けて、市場の期待が高まり、株価は上昇しました。
バーテックス・ファーマシューティカルズ (VRTX)
株価変動: +5.31%
詳細: バーテックス・ファーマシューティカルズは、革新的な医薬品を開発するバイオ医薬品企業です。FDA(米食品医薬品局)が同社の非オピオイド系鎮痛剤 Journavx を承認。これにより、新たな成長ドライバーが加わることが期待され、株価は上昇しました。
アッヴィ (ABBV)
株価変動: +4.7%
詳細: アッヴィは、免疫疾患・がん・神経疾患向けの医薬品を開発する世界的な製薬企業です。第4四半期の売上・利益がアナリスト予想を上回り、投資家の期待を集めました。CEOは「2025年に純収益が過去最高を更新する見通し」と発言し、ヒュミラの独占販売期間終了後も業績成長が続く見込みを示しましました。
チャーター・コミュニケーションズ (CHTR)
株価変動: +2.64%
詳細: チャーター・コミュニケーションズは、米国の大手ケーブルテレビおよびインターネットサービスプロバイダーです。モバイル収益と広告売上の増加により、ウォール街の予想を上回る決算を発表。市場全体の下落基調の中でも、投資家からの評価は高く、株価は上昇しました。
ビザ (V)
株価変動: -0.36%
詳細: ビザは、世界最大級の決済ネットワークを運営する企業です。第1四半期の調整後利益は1株あたり2.75ドルで、ウォール街の予想(2.66ドル)を上回りました。売上高は10%増の95.1億ドルで予想を上回り、ビザブランドのカード決済総額は前年から9%増加。しかし、市場全体のリスクオフムードにより、株価はわずかに下落しました。
*関連記事「ビザの第4四半期決算:売上高が10%増加、個人消費は堅調」
アップル (AAPL)
株価変動: -0.67%
詳細: アップルは、iPhoneやMac、iPadなどのデバイスを製造する世界的なテクノロジー企業です。2025年第1四半期決算で1株あたり2.40ドルの利益を計上し、アナリスト予想を上回りました。しかし、iPhoneの売上が前年から1%減少し、予想を下回る691億ドルにとどまりました。総売上高は1243億ドル(+4%)で予想通りでしたが、第2四半期の成長見通しは「1桁前半の低成長」と慎重な姿勢を示しました。
*関連記事「アップルの株価、決算発表後に急反発!投資家が注目すべきポイントとは?」
エクソンモービル (XOM)
株価変動: -2.50%
詳細: エクソンモービルは、世界最大級の石油・ガス会社で、探査・生産・精製・販売を手掛けています。第4四半期の調整後利益は1株あたり1.67ドルで、アナリスト予想の1.55ドルを上回りました。しかし、売上高が前年同期比1.1%減の834.3億ドルとなり、市場全体のネガティブな影響もあり、株価は下落しました。
インテル (INTC)
株価変動: -2.90%
詳細: インテルは、世界最大の半導体メーカーの一つで、PCやサーバー向けのプロセッサを製造しています。2024年第4四半期の売上高は143億ドルで、アナリスト予想の138億ドルを上回りました。1株利益は13セントで、予想の12セントを若干上回りました。しかし、第1四半期の売上高ガイダンスが117億~127億ドルと予想の129億ドルを下回り、マクロ経済の不確実性を理由に慎重な見通しを発表。株価は下落しました。
*関連記事「インテルの第4四半期売上が予測を上回るも、競争力強化には課題」
シェブロン (CVX)
株価変動: -4.56%
詳細: シェブロンは、米国を代表するエネルギー企業で、石油・天然ガスの探査・生産を行っています。2024年第4四半期の調整後利益が1株あたり2.06ドルとなり、アナリスト予想(2.11ドル)を下回りました。売上高は前年同期比で増加したものの、下流部門(精製・販売)が大幅赤字となったことで投資家の懸念が強まり、株価は大きく下落しました。
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (WBA)
株価変動: -10.3%
詳細: ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは、米国を中心に展開する大手薬局チェーンです。経営戦略の変更により、四半期配当を停止。長期的な事業転換のための資本配分を見直すと発表し、これが投資家の懸念を招きました。配当停止の発表を受け、株価は急落しました。
デッカーズ・アウトドア (DECK)
株価変動: -20.51%
詳細: デッカーズ・アウトドアは、HokaやUggブランドを展開する米国のフットウェアメーカーです。売上高は前年同期比+17%の18.3億ドルとなり、予想を上回りました。しかし、販売費および一般管理費が大幅に増加したことで、2025年度の売上見通しが49億ドルとなり、市場予想の49.3億ドルを下回る結果に。これが嫌気され、株価は20%急落しました。
*過去記事 株価変動