ディープシーク登場で動揺する米ハイテク市場、今注目すべき銘柄はこれ!

中国の新興企業ディープシークが登場し、その革新的な技術が米国株市場、とりわけハイテク株に大きな影響を与えています。特に、ハイテク株が多く上場しているナスダック総合指数が1月27日の米国市場では大幅に下落しました。しかし、この逆風の中にも、投資家にとって明るい兆しが見える分野があります。この記事では、ディープシークの影響と今後の市場展望について解説します。

ハイテク・ハードウェア分野の成長性

ディープシークのチャットアシスタントは、米国企業の人工知能(AI)技術に対抗する形で低コストかつ洗練されていないチップで動作する点が注目されています。この結果、マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)など、AI分野でリーダーシップを持つ米国企業の将来性への懸念が浮上しました。

しかし、ハードウェア需要に目を向けると、AIの普及に伴い、関連ハードウェアへの需要は引き続き増加する見込みです。たとえディープシークが低価格な技術で市場を揺るがしたとしても、AIの成長に伴う基盤的なハードウェア需要は堅調に推移すると予想されます。

エヌビディアの市場ポテンシャル

エヌビディア(NVDA)は27日に株価が17%近く下落しましたが、これを投資の好機と捉える見方もあります。同社はAIチップ市場で技術革新を牽引しており、効率的なチップの開発を通じて競争力を維持しています。アライアンス・バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏によると、ディープシークの低コストモデルも長期的にはコスト上昇の圧力に直面する可能性があります。

また、AIの普及が需要を増加させる「ジェヴォンズのパラドックス」が働き、AI関連市場は中長期的に成長を続けると予想されています。

TSMCの優位性

TSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)は、エヌビディアにチップを供給する世界最大のチップ製造企業としての地位を確立しています。同社は2024年に880億ドルの売上を達成し、AIチップ市場の拡大に欠かせない存在となっています。世界的なAI技術の進展が続く中、TSMCの需要は今後も堅調に推移すると予想されます。

半導体製造装置メーカーの可能性

半導体製造装置を提供するアプライド・マテリアルズ(AMAT)ラムリサーチ(LRCX)ASMLホールディング(ASML)も重要な役割を果たしています。これらの企業は、AIチップの製造に不可欠な装置を供給しており、2024年の総売上高は730億ドルに達しました。

また、アドバンテストは半導体検査装置市場でリーダー的存在です。同社の製品はAIチップメーカーにとって重要であり、市場成長に伴う恩恵を受けると期待されています。

データセンター関連企業への注目

AIチップを搭載するデータセンター関連企業にも注目が集まっています。バーティブ・ホールディングス(VRT)イートン(ETN)など、冷却装置や電源装置を提供する企業は、データセンター需要の変動に影響を受けつつも、その他の市場セグメントで安定した売上を上げる可能性があります。特にイートンは、多角的なビジネス展開をしており、データセンター関連の売上減少を他分野で補うと予想されています。

AIチップ接続部品メーカー「アンフェノール」の成長

アンフェノール(APH)はAIチップの接続部品を製造しており、AI分野だけでなく電気自動車や産業用機器など、幅広い分野で成長を遂げています。2024年の売上高は152億ドルに達し、将来的な成長余地が大きいとされています。株価が下落している今がエントリーポイントとして適している可能性があります。

まとめ

AI技術や関連ハードウェア分野は、短期的な市場の変動にもかかわらず、長期的には成長が期待されています。特に、エヌビディアやTSMCなどの主要企業は、AI市場の基盤を支える存在として投資妙味があります。また、製造装置メーカーやデータセンター関連企業も、中長期的な成長を見込める注目セクターです。

市場の不安定さを逆手に取り、長期的な視点でポートフォリオを構築することで、AI関連市場の恩恵を最大化することが可能です。

*関連記事「米中AI競争の新局面:エヌビディアが認めたディープシークの規制突破戦略

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