エヌビディアやブロードコムなどの大手企業がクラウドコンピューティング向けの高度なチップを製造する中、スノーフレーク（SNOW）は顧客にデータを単一プラットフォームに統合する手段を提供し、AI時代において独自の地位を築いています。同社のプラットフォームを利用することで、顧客は生成AIアプリを構築したり、データから重要な洞察を得たり、AIを活用してビジネス課題を解決することが可能です。
IDCが発表した予測によると、AIへの支出の多くが企業の業務へのAI機能の組み込みに向けられるとされており、スノーフレークがターゲットとする市場は2025年に向けてさらに拡大すると考えられます。
Cortex AIプラットフォームの注目度と成功
スノーフレークが提供するAIソリューションはすでに多くの顧客の支持を得ています。特に、同社のCortex AIプラットフォームは「大幅な採用が進んでいる」と報告されています。このプラットフォームを使用することで、顧客はデータ分析や生成AIアプリの構築、ドキュメント内の情報検索、さらにはLlamaやAnthropic Claudeといった人気の大規模言語モデル（LLM）へのアクセスが可能です。
2023年半ばにAIサービスの提供を開始したスノーフレークは、それ以降も新たなツールやサービスを次々と導入しています。その結果、すでに3,200社以上の顧客が同社のAIおよび機械学習（ML）機能を活用しています。
AIエージェント市場への進出
2024年11月にスノーフレークが発表したスノーフレークインテリジェンス・プラットフォームは、企業がAIエージェントを作成できる環境を提供するものです。このプラットフォームにより、企業は安全な環境でデータを分析・要約し、得られたインサイトを基にアクションを実行できるAIエージェントを構築できます。
AIエージェント市場は2025年に450億ドルの売上が見込まれており、スノーフレークの対象市場は今後さらに拡大することが期待されています。この成長分野での強力な立ち位置は、同社が予想を上回る成長を遂げる大きな可能性を秘めています。
残存履行義務（RPO）の成長が示すスノーフレークの勢い
スノーフレークの残存履行義務（RPO）は、2025年度第3四半期（2024年10月31日終了）に55%増加し、57億ドルに達しました。この成長率は、同四半期の売上高が前年同期比29%増の9億300万ドルだったことを大きく上回る結果です。RPOとは、契約済みで、まだ未計上の売上（将来計上される売上）を意味します。RPOの成長率が売上の伸びを上回ることは、今後のさらなる成長の可能性を示唆しています。
さらに、スノーフレークの顧客基盤が拡大するだけでなく、既存顧客も同社のサービスにより多くの費用を割いていることが注目されます。当四半期の純売上高維持率は127%であり、既存顧客が引き続きスノーフレークのプラットフォームを積極的に採用していることを示しています。
AI市場でのスノーフレークの将来性
スノーフレークの前四半期の顧客数は10,600社を超え、そのうち約30%がAI/MLソリューションを活用しています。この割合は今後さらに増加する見通しであり、同社がAI製品を既存顧客に追加販売していくことで、売上と利益が大幅に改善される可能性があります。
同社が提供するAI中心のツールは、2025年の市場拡大に向けた成長を支える重要な要素となっています。これにより、スノーフレークは今後数年間で40%以上の売上成長を実現する可能性が高まっています。
投資家が注目すべきポイント
スノーフレークは、データクラウドプラットフォームにAI機能を統合することで、2025年以降の成長を支える基盤を整えています。同社の強力なプラットフォームとAIソリューションは、多くの企業にとって不可欠な存在となりつつあり、今後の市場シェア拡大と売上増加が期待されています。
スノーフレークは、AI市場での圧倒的な存在感と革新性を備えた投資先として注目に値します。これらの要素を背景に、同社は成長株として投資家に魅力的な選択肢を提供しています。
＊過去記事はこちら スノーフレーク SNOW