2024年は、製薬業界で減量薬が大きな話題となり、ノボ ノルディスク(NVO)とイーライリリー(LLY)の2社が注目を集めました。両社は、より効果的な新薬の開発を競い、減量薬市場をリードしています。しかし、2025年は挑戦者にとって新たな機会の年となりそうです。
その中でも、バイオテクノロジー企業のバイキング・セラピューティクス(VKTX)は有望な存在として注目されています。
バイキング・セラピューティクスの革新的な減量治療薬
バイキング・セラピューティクスは、2025年に後期臨床試験段階にある注射型減量治療薬と、中期臨床試験段階にある経口薬候補を開発しています。ジェフリーズのアナリスト、ロジャー・ソング氏率いるチームは、同社のGLP-1/GIPフランチャイズの可能性を高く評価し、目標株価を110ドルに設定しました。これは、1月22日現在の株価34ドルに対して224%の上昇の余地があることを見込んだ価格です。
GLP-1とGIPは、腸で分泌されるホルモンであり、血糖値と食欲のコントロールを助け、患者の減量をサポートします。ソング氏は、同社の注射型減量薬の第3相試験の開始がバイキングの先端パイプラインの可能性を示すものだと述べています。また、経口薬の第2相試験は、長期的な減量維持を希望する患者に向けて優れた有効性と耐容性を証明する可能性があるとしています。
アナリストからの強い支持
ソング氏だけでなく、ファクトセットの調べでは同銘柄をカバーする14人のアナリスト全員がバイキング・セラピューティクスを買い推奨しています。目標株価の平均は112ドルとなっており、業界全体からの注目が集まっています。
また、ソング氏を含む多くのアナリストが指摘するように、バイオテクノロジー企業はしばしば買収のターゲットになります。もしバイキングが他の企業にプレミアム価格で買収された場合、株主には多額のリターンが期待されます。
減量薬市場に挑む小規模企業の課題と展望
投資家にとって、重要なのは挑戦者のストーリーが現実のものとなるかどうかです。具体的には、バイキングがノボ ノルディスクのオゼンピックやウェゴビー、イーライリリーのムンジャロやゼプバウンドに匹敵する肥満治療薬を開発できるかが鍵となります。
さらに、大規模な市場シェアを確保するためには、大量生産を実現するための初期投資を確保する必要があります。このような課題を克服できれば、バイキング・セラピューティクスは減量薬市場において大きな地位を築く可能性があります。
まとめ
2025年、製薬業界の減量薬市場は引き続き注目されることが予想されています。バイキング・セラピューティクスの動向と、その新薬が市場に与える影響は、多くの投資家にとって関心の的となりそうです。