2025年1月21日未明、台湾南部でマグニチュード6.4の地震が発生し、山間部の農村地域を中心に被害が出ましたが、TSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)は同社の施設がすべて稼働中であると発表しました。TSMCは先進的なチップの主要メーカーであり、アップル(AAPL)やエヌビディア(NVDA)などの企業にとって欠かせないサプライヤーです。
地震発生後のTSMCの対応状況
TSMCは地震発生直後、台湾中部および南部にある一部の施設で従業員を予防的に避難させました。同社はその後、電子メールによる声明で以下のように説明しています。
地震後の構造検査はすべての施設で完了しており、構造は安全で、業務は徐々に再開されていることを確認しています。
現在、すべての施設で水道、電力、職場安全システムが正常に機能しており、通常の稼働を維持しているとのこと。同社はさらに、詳細な検査と影響評価を続けていると付け加えています。
また、TSMCの建設現場についても影響はなく、環境安全チェックを経て通常の業務が続けられているとのことです。
地震による影響と台湾の現地状況
台湾の消防当局によると、今回の地震で27人が負傷し、病院で手当てを受けました。また、台湾電力によると、地震によって一時的に停電した約3万世帯すべてで、午前中までに電力が復旧しています。
台湾は地殻プレートの境界に位置しているため地震が頻発する地域です。これまでにも大規模な地震が発生しており、特に2018年に東部の花蓮県を襲ったマグニチュード7.2の地震では、13人の命が奪われました。
TSMCの事業における重要性
TSMCは、世界中の多くのテクノロジー企業にとって欠かせない存在です。同社が製造する先進的な半導体チップは、スマートフォンやデータセンター向けの高性能プロセッサを支えています。特に、アップルやエヌビディアなど、世界的なリーディング企業がTSMCを主要なサプライヤーとして依存しています。
今回の地震により、台湾の地震リスク管理が改めて注目されていますが、TSMCの迅速な対応と業務継続力は、同社の経営基盤の強さを示すものといえます。
*過去記事 TSMC