アクティビスト投資会社のスターボード・バリューは、米国のチップメーカーであるコルボ(QRVO)株の7.7%を取得し、その投資額は5億ドルに上ると証券取引委員会への提出書類で報告しました。この動きは、スターボードが同社の経営改善を促進するための重要なステップとなっています。
コルボは、アップル(AAPL)のiPhoneやiPadなどのデバイス向けに無線周波数チップを製造している企業であり、その市場価値は現在約70億ドルとされています。
コルボの株価は大幅上昇
このニュースを受け、コルボの株価は1月17日の米国市場の取引で一時12%上昇し、82.38ドルを記録しました。ただし、過去1年間の株価は29%下落しており、依然として厳しい状況が続いています。
スターボードは、これまで多くの企業への投資活動を行っており、ウォール街で最も積極的なアクティビスト投資会社の一つとして知られています。主な投資先には、ファイザー(PFE)、ダラー・ツリー(DLTR)、メイシーズ(M)、そしてアウトバック・ステーキハウスを運営するブルーミン・ブランズ(BLMN)などが含まれます。
スターボード・バリューの取り組み
スターボード・バリューは、企業の取締役会を刷新し、取締役を指名するだけでなく、経営陣を精査し、業績改善の機会を見出すことで企業価値を高める戦略を取っています。これには、事業売却や組織改革も含まれます。
最近の事例では、ファイザーとの対立が注目されました。スターボードは、過去5年間に行われたファイザーの買収に対し、いくつかの取引で過剰な支払いが行われたと批判しました。これにより、企業の効率性と利益率の向上が必要だと強調しています。
コルボとの協力に期待
コルボはスターボードとの対話を歓迎しており、同社は成長を通じて株主価値を高めることに注力していくと述べました。スターボードの影響力のもとで、コルボの事業戦略や運営効率の見直しが進むことが期待されています。
今後、コルボの経営改善がどのように進むのか、またそれが市場でどのように評価されるのかに注目が集まっています。
スターボードの今後の動向
スターボード・バリューの積極的な投資戦略は、株主価値の最大化を目指す一貫した姿勢を示しています。特に、企業の経営課題を指摘し、必要な改革を実行する姿勢は、ウォール街でも高い評価を受けています。コルボとの協力を通じて、どのような成果が生まれるのか、注目されます。