2025年も引き続き人工知能（AI）が注目を集める中、ギットラブ（GTLB）は競合他社に先駆けた存在感を示しています。マッコーリーのアナリストであるスティーブ・ケーニッヒ氏は、ギットラブを今年のトップソフトウェア銘柄として選び、「アウトパフォーム」の評価を維持しています。同氏が設定する目標株価は90ドルで、これは1月14日の終値63.39ドルから約47%の上昇が見込めることを示しています。
この楽観的な見通しには、同社の戦略的な資産価値や、AIへの関心の高まりによる恩恵といった要因が挙げられます。特にギットラブの「Duo」というAI搭載ツールスイートが、開発者のコード作成やセキュリティチェックの効率化を支えている点が評価されています。
アマゾンとの提携による新たな可能性
ギットラブは2024年12月にアマゾン・ウェブ・サービスとの提携を発表しました。この提携により、アマゾン（AMZN）のAIエージェント「Amazon Q」とギットラブの「Duo」を組み合わせ、コード作成にとどまらない幅広いタスクの効率化を目指しています。ケーニッヒ氏によると、2025年は「AIエージェントの年」とされ、ギットラブはこの分野での強みを活かしてさらに成長する可能性があります。
特に、コードのテストやセキュリティレビュー、モダナイズといったユースケースにおいて、AIエージェントの活用が期待されています。
ギットハブとの競争と差別化戦略
ギットラブはマイクロソフト（MSFT）の子会社であるギットハブと競合関係にあります。しかし、ケーニッヒ氏は、ギットラブがエンタープライズレベルのワークロードへの対応能力や、競合他社と差別化されたプラットフォームを提供している点に注目しています。同社はニッチな市場での強みを活かし、独自の地位を築いています。
ソフトウェア業界全体の見通しとAIエージェントの進化
2025年、ソフトウェア株全体のファンダメンタルズは引き続き良好な状態が予想されていますが、2024年後半からの評価額の上昇に伴い、ボラティリティが高まる可能性があります。生成AIからAIエージェントへの進化が進む中で、AIエージェントの導入が売上の改善を後押しするとの見方が広がっています。
AIエージェント関連企業の注目ポイント
AIエージェントを活用する企業として、セールスフォース・ドットコム（CRM）やアトラシアン（TEAM）などが挙げられます。セールスフォースやアトラシアンは、顧客基盤を活用してAIエージェントの導入を進めることで、さらなる成長を目指しています。
マッコーリーの分析では、オートデスク（ADSK）やデータドッグ（DDOG）が「アウトパフォーム」と評価される一方、セールスフォースやモンゴDB（MDB）、アトラシアンは「ニュートラル」とされています。これらの企業も、AIエージェントの活用を含めた戦略が成長を支えると期待されています。
投資家にとっての注目ポイント
2025年、AIの進化とともにソフトウェア業界全体が成長を続ける中、ギットラブのようにAIエージェントを積極的に活用する企業は重要な投資対象となると考えられます。AI関連銘柄への投資を検討する際は、各企業の戦略や成長見通しをしっかりと見極めることが重要です。