成長株が米国の国債利回りの上昇によって大きな影響を受けていますが、それでもこれらの企業をすべて買いリストから外すべきではありません。市場の調整時には「お買い得銘柄」を探すことが賢明な選択となります。
割安な成長株を見つけるには、売上ポテンシャルに対して過小評価されている企業に目を向けることが重要です。
国債利回り上昇が成長株に与える影響
長期の国債利回りが急上昇し、特に成長株に影響を与えています。ナスダック総合指数(COMP)は、主に成長著しいハイテク企業で構成されていますが、2025年1月14日時点で過去最高値から約7%下落しています。
国債利回りが上昇すると、将来の利益の価値が低下し、評価額が大幅に削られることになります。これは、これらの企業が将来の利益に依存していることが原因です。
一方で、利回りが安定すれば株価も安定し、売上の拡大に伴って株価が上昇する可能性があります。ただし、市場全体で見れば単純な話ではありません。
ナスダック全体の評価はまだ割高
現在、ナスダックの予想PER(株価収益率)は27倍となっており、過去3年間の範囲内でも高水準に位置しています。さらに、2023年10月に同様の利回りレベルだった時期よりも高い水準です。そのため、ナスダック全体を購入するよりも、割安な成長株に注目する方が得策といえます。
割安な成長株リスト:注目銘柄
シティグループは、次の条件を満たす割安成長株をリストアップしました。
- 時価総額が50億ドル以上
- アナリストが予測する3年間のフリーキャッシュフロー成長率に基づき、現在の時価総額が過小評価されていると考えられる企業
この基準で挙げられた企業には、以下の銘柄があります。
- ピンタレスト(PINS)
- エッツィー(ETSY)
- ドアダッシュ(DASH)
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
- アドビ(ADBE)
- インテグリス(ENTG)
- コーニング(GLW)
- バーティブ(VRT)
注目銘柄の詳細:バーティブ
バーティブは時価総額45億ドルの企業で、AIデータセンター向け製品を製造しています。AI需要の高まりとともにデータセンターの増加が進み、バーティブの機器需要も拡大しています。
ファクトセットによると、同社の売上は2027年までに年間15%以上増加し、121億ドルに達すると予想されています。特にデータセンター事業が売上の大部分を占め、最も高い成長率を示す見通しです。
コストの上昇を抑えることで、利益率がさらに向上すると予測されています。2027年までにフリーキャッシュフローは年間27%の成長率で20億6,000万ドルに達する見込みです。これが数年続けば、同社の市場価値は500億ドル近くに達する可能性があります。
*過去記事「バロンズが選ぶAI成長株トップ3!長期投資におすすめの銘柄とは?」
注目銘柄の詳細:コーニング
コーニングは時価総額400億ドルのガラスおよび基礎材料メーカーで、通信、自動車、データセンター向けに製品を提供しています。特に、データセンターに関連する光通信部門は、同社の最も急成長しているセグメントの一つです。
アナリストは、このセグメントが今後数年間で年間17%以上成長し、2027年までに売上が7%増加して170億ドルを超えると予測しています。この成長により、フリーキャッシュフローは年間20%の成長率で20億ドルを超えると期待されています。
割安成長株への投資機会
これらの企業は、現在の市場環境下で成長が期待される銘柄です。AIやデータセンター関連事業が活発化する中、売上の増加が見込まれるため、今が投資を検討するタイミングかもしれません。
適切な投資判断を行うためには、企業の収益性や市場環境の動向を注意深く見極めることが重要です。この機会に、自分の投資ポートフォリオを見直してみてはいかがでしょうか。