テスラからエヌビディアまで:AIが運用するETFで何が変わるのか?

人工知能(AI)は、現代社会におけるホットなトピックの1つとなり、投資分野にも大きな変化をもたらしています。その中でも注目されているのが、ソフトバンクが出資する韓国のフィンテック企業「Qraft Technologies(クラフト・テクノロジーズ)」です。この企業は、AIを活用して投資とポートフォリオ管理を進化させる取り組みを行っています。

クラフト・テクノロジーズは、AIによって運用される3つの上場投資信託(ETF)で約6000万ドルの資産を管理しています。これらのETFには、以下のものがあります。

  • AMOM(QRAFT AI-Enhanced U.S. Large Cap Momentum ETF)
  • QRFT(QRAFT AI-Enhanced US Large Cap ETF)
  • LQAI(QRAFT AI-Enhanced Next Value ETF)

AMOM: モメンタム戦略を採用したETF

AMOMは、過去に高いパフォーマンスを記録した銘柄に注目するモメンタム要因戦略を採用しています。このETFの主な保有銘柄は、エヌビディア(NVDA)(9.2%)、テスラ(TSLA)(7.7%)、ブロードコム(AVGO)(7.1%)、メタ・プラットフォームズ(META)(4.1%)です。これらはすべて、2024年に高い成長を見せた銘柄です。

AMOMは2024年に36%の上昇を記録しました。これはベンチマークであるiシェアーズ・エッジMSCI USAモメンタムETF(32%上昇)を上回る結果となりました。

QRFT: ディフェンシブな多因子アプローチ

QRFTは、ヘルスケア、生活必需品、工業株といったディフェンシブなセクターに資産の約40%を投資しています。このETFは多因子アプローチを採用しており、350銘柄の米国大型株を保有しています。主な保有銘柄は、アップル(AAPL)(8.7%)、メタ(6.2%)、イーライリリー(LLY)(3.4%)、ウォルマート(WMT)(3.4%)です。

QRFTは2024年の上昇率が21%と堅調でしたが、S&P 500指数の23%上昇にはわずかに届きませんでした。

AIによるポートフォリオ調整

両ETFは、毎月第2取引日にポートフォリオを調整します。このプロセスは完全にAIソフトウェアに委ねられており、銘柄の選定やリバランスが行われます。2025年1月初旬には、AMOMがテスラの保有比率を若干減らし、QRFTはアルファベットの保有株をすべて売却する動きを見せました。

AIの投資運用に対する期待

クラフト・テクノロジーズの取り組みは、AIが投資運用を進化させる可能性を示しています。AIは膨大なデータを分析し、迅速かつ正確な意思決定を行うことが可能であり、今後も投資分野でその影響力を拡大していくと期待されています。

AIが運用するETFは、従来の投資手法を補完するだけでなく、リスク管理や収益向上の面で新たな可能性を切り開く存在として注目を集めています。今後、さらに多くの投資家がAIを活用した運用戦略に目を向けると予想されています。

*過去記事「AIが導く未来の投資戦略!アップルやアルファベットに強気のETFが市場をリード

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