アドビシステムズ(ADBE)のデータによると、2024年の米国のホリデーシーズン(11月1日~12月31日)のオンラインショッピングの売上総額は、前年同期比8.7%増の2414億ドルに達しました。この急成長は、消費者の購買行動の変化を反映しており、オンラインショッピングがさらなる進化を遂げています。
家電、アパレル、家具がオンラインショッピングの主役
オンラインショッピングの売上の半分以上は、家電、アパレル、家具・家庭用品の3つのカテゴリーに集中しました。この傾向の背景には、大幅な値引きが影響しています。アドビシステムズのデータによると、家電製品の値引き率は30.1%と特に高く、アパレル製品は23.2%の値引きが記録されました。
消費者が根強いインフレと金利上昇に直面しながらも、価格を簡単に比較できるオンラインショッピングの利便性を活用することで、出費を効率的に管理していることが分かります。また、自宅で商品を受け取れる配送サービスも、オンラインショッピングの人気を後押ししました。
店舗販売は増加するも、オンラインが優勢
Mastercard SpendingPulseのデータによれば、店舗販売の売上は前年比2.9%増加した一方で、オンライン小売売上は6.7%の急増を見せました。全体の消費者支出も前年比3.8%増加しており、オンラインと店舗の双方で増加傾向が見られます。しかし、成長率においてはオンラインショッピングが明らかに優勢です。
ホリデーシーズンのオンラインショッピング成長率の推移
ホリデーシーズンのオンラインショッピング売上は、過去5年間で着実に増加しています。
年 | ホリデーシーズンの売上(10億ドル) | 前年比成長率 |
---|---|---|
2020年 | 188.2 | 32% |
2021年 | 204.5 | 8.6% |
2022年 | 211.7 | 3.5% |
2023年 | 222.1 | 4.9% |
2024年 | 241.5 | 8.7% |
2025年もこの成長傾向が続くと予想され、特に新しい購買ツールやデジタル技術の導入が、さらなる売上拡大の鍵となると考えられます。
スマートフォンと購入後払いツールの台頭
消費者はオンラインショッピングに慣れ親しむ中で、新しいツールやチャネルを積極的に活用しています。2024年のホリデーシーズンには、オンライン取引の54.5%がスマートフォン経由で行われました。これは2023年の51.1%から増加しており、モバイルデバイスの利便性が一層際立っています。
さらに、「購入後払い」ツールの利用が急増しており、これによりオンライン消費に182億ドルが貢献しました。前年と比較して9.6%の増加です。このような新しい支払い手段の普及が、消費者の購買行動に大きな影響を与えています。
AI技術の進化がショッピング体験を変える
AIを活用したチャットボットからのトラフィックも急増しており、2023年から1,300%の成長を記録しました。この技術は、消費者がより迅速かつ効率的に商品を検索・購入できる環境を提供しています。
オンラインショッピングの利便性が向上し続ける中で、消費者の期待に応えるため、企業はAI技術や新しいサービスを積極的に採用しています。
まとめ
2024年のホリデーシーズンは、オンラインショッピングがさらに進化し、記録的な売上を達成した年となりました。スマートフォンの普及や「購入後払い」ツール、AI技術の活用が、オンラインショッピング市場の成長を強力に後押ししています。これからも消費者行動の変化に応じて、オンラインショッピングの新しい可能性が広がると期待されます。