株価23%上昇!コンステレーション・エナジーのカルパイン買収が市場で注目される理由

  • 2025年1月11日
  • 2025年1月11日
  • BS余話

コンステレーション・エナジー(CEG)の株価は、同社がカルパインを買収することで合意したことを受けて1月10日の米国市場で急騰しました。この取引により、米国最大のクリーンエネルギー供給会社が誕生し、コンステレーション・エナジーは幅広い製品ラインを手に入れることとなります。

買収の概要と価格

買収の純購入価格は約266億ドルで、カルパインの債務引き受け分も含まれています。非公開企業であるカルパインは、2026年に予想される利息、税金、減価償却費控除前の利益(EBITDA)の7.9倍という企業価値で評価されることになります。

この発表を受け、コンステレーション・エナジーの株価は10日の市場の午後1時過ぎの段階で24.38%上昇し、303.3ドルに達しました。

買収が株価に与えた影響

通常、企業が買収を発表すると、現金や追加のコスト負担が株価にマイナスの影響を与えることが一般的です。しかし、今回のケースでは、コンステレーション・エナジーの株価が上昇しました。この背景には、8日の報道で買収交渉が進んでいることが伝えられたものの、投資家がこの発電事業の拡大の可能性を十分に織り込んでいなかった点が考えられます。

さらに、同社はこの取引により、今後数年間で1株当たりの利益が少なくとも2ドル増加し、調整後のフリーキャッシュフローが年間20億ドル以上増加すると見込んでいると発表しています。

カルパインの買収で得られる戦略的価値

カルパインを買収することで、コンステレーション・エナジーの天然ガス発電ポートフォリオが強化されます。カルパインはヒューストンに拠点を置き、天然ガスおよび地熱資源による発電において米国最大の企業です。同社は27ギガワットの発電能力を有しており、これは約2700万世帯分の電力需要を満たす規模です。

一方、ボルチモアに拠点を置くコンステレーション・エナジーは、2050年までに炭素ゼロを目指す米国において、発電ミックスの基盤となる原子力発電所の最大運営会社として知られています。同社は1600万世帯分に相当する電力を供給しています。

マイクロソフトとのパートナーシップと市場の反応

2024年にはAIデータセンターの需要増加が確認され、コンステレーション・エナジーの株価は前年比で93%上昇しました。また、マイクロソフト(MSFT)は昨年、データセンターの電力需要を満たすために同社と契約を結びました。このような動きにより、コンステレーション・エナジーは市場での評価をさらに高めています。

アナリストの見解と今後の見通し

一部のアナリストは、コンステレーション・エナジーが原子力発電に重点を置いていることが株式の魅力を減じる可能性を指摘しています。しかし、今回の取引は天然ガス分野での成功の道を開くと予想されています。J.P.モルガンのケビン・クワン氏は、「この取引は、現在の電力需給動向に広範囲に対応できる体制を築くことになる」と述べています。

取引は必要な規制当局の承認を得られれば、契約締結から12か月以内に完了する見通しです。今回の買収によって、コンステレーション・エナジーはさらなる成長の足掛かりを確保し、エネルギー業界でのリーダーシップを一層強化する可能性があります。

まとめ

カルパインの買収により、コンステレーション・エナジーはクリーンエネルギーのリーダーとしての地位を確立し、天然ガスおよび地熱資源を活用した発電事業の拡大が期待されています。今後の収益成長と市場シェア拡大を見据えた戦略的な動きとして、今回の取引がどのような成果をもたらすか注目されます。

*過去記事「原子力株が急騰!ビストラとコンステレーションの最新動向と投資戦略

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