ゴールドマン・サックスがAMDを格下げ、推奨するAI関連株とチップ業界の展望

ゴールドマン・サックスがアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)を格下げしたことを受け、同社の株価が1月10日の米国市場で下落しました。同証券会社は投資家に対し、「バーベル戦略」としてAI関連株と循環的な回復が期待されるチップメーカーの株式を組み合わせた投資を推奨しています。

AMDの格下げと株価下落

ゴールドマン・サックスのアナリストチームは、AMDの投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を175ドルから129ドルに修正しました。この見直しの背景には、PCおよび従来型サーバー分野の市場見通しが慎重に見直されたことや、データセンター向けGPUの競争激化による成長鈍化が挙げられます。

AMDの株価は10日の米国東部時間午後12時45分の段階で5.5%下落し、115.19ドルとなりました。同社の2025年と2026年の売上予測も、これらの要因を踏まえて2桁台の減少が見込まれています。

ゴールドマンが推奨する注目銘柄

ゴールドマン・サックスは、エヌビディア(NVDA)を引き続き高く評価しています。同社のGPUは業界標準であり、同証券会社は目標株価を165ドルに設定し、「買い」の推奨を維持しています。

また、テラダイン(TER)は、2025年に注目されるチップ機器メーカーの一つとしてゴールドマンが取り上げており、S&P 500のパフォーマンスを上回る可能性があると評価されています。同社は「コンビクションリスト」に組み入れられ、目標株価151ドルで「買い」の推奨がされています。

ブロードコム(AVGO)も、目標株価が240ドルから255ドルに引き上げられ、「買い」の推奨が維持されました。一方、マイクロン・テクノロジー(MU)の目標株価は128ドルに据え置かれています。

NXPセミコンダクターが「買い」に格上げ

オランダを拠点とするNXPセミコンダクター(NXPI)は、ゴールドマン・サックスが目標株価を260ドルから257ドルにやや引き下げたものの、「中立」から「買い」に格上げされました。

半導体セクター全体の動向

2024年、エヌビディアやブロードコムなどの主要企業が好調な業績を示したにもかかわらず、半導体セクター全体は市場全体を下回るパフォーマンスでした。例えば、iShares Semiconductor ETFは19%上昇にとどまり、S&P 500の23%上昇には及びませんでした。

「2024年のコンピューティングおよびネットワーク分野では、AI関連銘柄と従来型のPCやサーバー事業に依存する企業との間に大きなパフォーマンス格差が生じました」と、ゴールドマンのトシヤ・ハリー氏は述べています。

具体的には、AIインフラを支える企業であるクレド・テクノロジー・グループ・ホールディング(CRDO)、エヌビディア、ブロードコムなどは株価が2倍以上に上昇。一方で、AMDやインテルはそれぞれ18%減、59%減と大きな打撃を受けました。

2025年に向けたAI関連銘柄の課題

AI関連株が引き続き好パフォーマンスを維持するためには、2025年にはさらに高いハードルをクリアする必要があるとハリー氏は指摘しています。特に、大手クラウドサービスプロバイダーによる資本支出の増加や時価総額の上昇が、投資家に懸念を与えています。

また、大手通信サービスプロバイダーや消費者向けインターネット企業の数十億ドル規模の資本支出の収益化が、今後より厳しく監視されることが予想されています。

2025年に向けて、投資家にとってはAI関連株や従来型チップメーカーのパフォーマンスを慎重に見極めることが重要になりそうです。

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