2025年の株式市場は始まったばかりですが、すでにテクノロジー主導の年になるとの見方が広がっています。ニュー・ストリート・リサーチは、2025年のスタートにふさわしい注目のテクノロジー銘柄を8つ選定しました。これらの銘柄は、AIや半導体を中心に市場をリードするポテンシャルを持つとされています。
株式市場の概況とテクノロジー銘柄の動向
1月7日の終値時点で、S&P 500は年初来0.5%の上昇、ナスダック総合指数は0.9%の上昇を記録しました。この動きは、過去数年のパターンを反映しており、いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テクノロジー企業群が引き続き市場の中心にあります。この企業群には、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、メタ(META)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、テスラ(TSLA)が含まれます。
ニュー・ストリート・リサーチのピエール・フェラグ氏が注目しているのは、マグニフィセント・セブンの中でも特にエヌビディアです。同氏は、2025年のトップ銘柄として、マイクロン・テクノロジー(MU)、インフィニオン・テクノロジーズ(IFX)、エヌビディア、TSMC(TSM)を挙げています。
マイクロン・テクノロジー(MU)が選ばれる理由
マイクロンが注目される理由として、AIの成長を支える重要な部品である高帯域幅メモリ(HMB)の需要急増が挙げられます。この市場はアクセラレータ・プロセッシング・ユニット(XPU)よりも2倍以上の速さで成長しており、サプライヤーは生産能力を大幅に増強しています。2025年分はすでに売り切れ状態となっており、同社はこの流れを活かして業績を上積みする可能性が高いとされています。また、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)の需要も拡大しており、業績成長が期待されています。
インフィニオン・テクノロジーズ(IFX)の復活
インフィニオンは、特に自動車および産業向けの需要回復が見込まれており、第1四半期を底に年末にかけて回復が進むと予想されています。株価も底打ち後に好転するとみられ、2025年は投資先として魅力的な選択肢となる見込みです。
エヌビディア(NVDA)のAI分野での優位性
エヌビディアは、AI分野での「つるはしとシャベル」的存在として引き続き注目されています。AI向けのハイパースケールクラスタは、2027年末までに8つが稼働し、そのうち半分がエヌビディアのGPUを採用すると予測されています。巨額の投資が継続しており、同社は市場予測を上回る成果を挙げる可能性があります。
TSMC(TSM)の市場シェア拡大
TSMCは、主要市場でのシェア拡大が期待されています。2025年には予想を上回る粗利益率と1株当たり利益を達成するとされ、さらにその成長が続くと予測されています。
高リスクだが魅力的な4銘柄
さらに、ニュー・ストリート・リサーチは、2025年の高リスクながら成長の可能性を秘めた銘柄として、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、モービルアイ(MBLY)、フランスのチップメーカーのソイテック(SOI)、ウーバー・テクノロジーズ(UBER)を挙げています。
- AMD: エヌビディアに挑むGPUメーカーとして注目されており、波乱含みながらも成長の可能性が期待されています。
- モービルアイ: テスラの自動運転技術に対抗する現実的な代替案を提供しており、先進運転支援システム(ADAS)分野での成長が見込まれます。
- ソイテック: 短期的には課題があるものの、長期的な成長余地が評価されています。
- ウーバー: ロボタクシーの導入に関する懸念がある中で、同社のサービス拡大が期待されています。
2025年のテクノロジーセクターの見通し
テクノロジー株に対する強気な見方はニュー・ストリートに限ったものではありません。シティグループはインターネット株、特にウィックス・ドット・コム(WIX)、ゴーダディ(GDDY)、ベリサイン(VRSN)が引き続き高パフォーマンスを示すと予想しています。また、ウェドブッシュ証券のダン・アイブ氏は、2025年にテクノロジー株がさらに25%上昇すると見込んでいます。