CESで何があった?エヌビディア株価急落の背景と今後の見通し

エヌビディア(NVDA)の株価は、最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏によるCES基調講演を前に上昇していましたが、講演後の1月7日の米国市場では急落しました。講演では、ブラックウェルチップを搭載したパーソナルスーパーコンピュータや、自動運転トラック技術に関する提携の発表がありました。

しかし、一部の投資家による「イベント後の売却」が行われた可能性や、フアン氏の講演に期待されていた次世代チップ「ルービン」に関する具体的な情報が欠如していたことへの失望が指摘されています。

投資家の期待と講演内容のギャップ

ベンチマーク・リサーチのアナリスト、コディ・アクリー氏によると、フアン氏は人工知能(AI)産業の現状と将来について幅広い技術的な洞察を提供し、同社のハードウェアおよびソフトウェアの業界リーダーシップをさらに強化する発表を行いました。しかし、多くの投資家は、ブラックウェルの進捗状況や次世代GPUプラットフォーム「ルービン」に関する具体的な情報を期待していたと述べています。

ブラックウェルについては「フル生産体制に入った」という言及がありましたが、ルービンに関しては一切触れられませんでした。同チップ設計は2026年に予定されているため、今回の基調講演で詳細が発表されるとは限らないという意見もあります。

株価の下落と市場の反応

エヌビディアの株価は、6日の米国市場で6.22%下落して140.14ドルとなり、S&P500指数の中でも大きな下落を記録しています。この日は2024年9月3日以来の1日当たり最大の下落率となりました。

シュティフェルのアナリスト、ルーベン・ロイ氏は、フアン氏の発表は「重要ではあるが長期的な影響に留まる」と評価しています。例えば、同社の新しいAIスーパーコンピュータ「Project Digits」は価格が3,000ドルからと手ごろで、売上全体への即時的な影響は限定的であるとされています。しかし、この開発はエヌビディアの開発者ネットワークを強化する可能性があります。

長期的な競争優位性の強化

ロイ氏によれば、エヌビディアの新たなプロジェクトは、AIエージェント、ロボティクス、自動運転車、グラフィックス、PC、エッジデバイス推論に関連する将来的な数十億ドル規模の進展に向けた競争力を高めるものと評価されています。

今回の基調講演は、エヌビディアが技術リーダーシップをさらに強化し、AI産業全体において独自の地位を築くための長期的な戦略の一環と見られています。投資家の短期的な反応とは対照的に、これらの発表は将来の成長を支える基盤を築くものであると考えられます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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