2025年に入り、テクノロジー関連銘柄が復活を遂げています。S&P 500やテクノロジー銘柄の比重が高いナスダック総合指数は、過去の下落から持ち直し、過去最高値に迫る勢いを見せています。
AIの恩恵を受けている企業の中には、依然として投資妙味のある銘柄が存在します。本記事では、AIサービスや製品による利益増加の初期段階にある企業や、割安感のある銘柄を中心に解説します。
AI関連銘柄をどう選ぶべきか?
エバコアのストラテジスト、ジュリアン・エマニュエル氏が行ったスクリーニングによると、AIに関連する投資対象を見つけるには以下の条件を満たす企業に注目すべきとされています。
- AIに関する取り組みが明確で、業績発表後に株価が上昇している企業
- 今年の売上成長率が9.6%以上と予測され、S&P 500の平均を上回る企業
- 5年間の平均を下回る株価収益率(PER)で取引されている銘柄
これらの条件を基に選ばれた銘柄には、ビザ(V)、マイクロン・テクノロジー(MU)、ドアダッシュ(DASH)、セールスフォース(CRM)、スポティファイ(SPOT)、ヤム・ブランズ(YUM)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)などが挙げられます。
ビザ(V)の成長戦略とAI活用
ビザは、2025年中にAI決済保護テクノロジーを開発するFeaturespaceの買収を完了する予定です。この技術は、詐欺の防止と削減に大きく寄与するだけでなく、同社の競争力をさらに高めると期待されています。ライアン・マクイナニーCEOは、第3四半期の業績報告で、「AIによる生産性向上が利益率の向上につながる」と強調しました。
アナリストの予測によれば、ビザの1株当たり利益(EPS)は2026年まで年率12%以上で成長し、売上は年率9%以上のペースで増加するとされています。さらに、世界的に現金取引からデジタル決済への移行が続いていることが、ビザの長期的な成長を支える要因となっています。
株価収益率(PER)は27倍で推移しており、5年間の平均29倍を下回っています。これにより、ビザは今後の株価上昇余地が十分にあると考えられます。
*過去記事「2025年の注目銘柄!モルガン・スタンレーがビザをトップピックに選んだ理由とは?」
マイクロン・テクノロジー(MU)の可能性
マイクロン・テクノロジーは、エヌビディアのAIチップに使用される部品を供給するなど、AI事業を積極的に拡大しています。特に2026年までに総売上が年率25%増加すると見込まれており、投資家からの注目を集めています。
アナリストの予測によると、マイクロンのEPSは2024年から2026年にかけて3倍以上になる見込みです。同社はチップ価格の上昇と製品コストの管理を通じて、利益率をさらに高める可能性があります。現在、PERは11倍と過去5年間のレンジの下限に位置しており、株価にはさらなる成長余地があるとみられています。
*過去記事「マイクロン株急落!AI成長の追い風で再起なるか?」
投資の鍵は選択的なアプローチ
テクノロジー株全般が復活する中、投資家は選択的に企業を見極める必要があります。AI技術の恩恵を受けつつ、割安感のある銘柄を選ぶことが重要です。ビザやマイクロン・テクノロジーのような企業は、今後も持続的な成長が期待される銘柄として注目に値します。