アメリカの有名な金融メディア「バロンズ（Barron’s）」は、テスラ（TSLA）の最新自動運転ソフトウェア「Full-Self Driving（FSD）」に関する記事を掲載しました。この技術の進化が同社の株価に与える影響を投資家目線で深掘りしており、注目すべき内容となっています。本記事では、その概要をご紹介します。
テスラのロボタクシー計画と市場の期待
バロンズによると、テスラは2025年後半に完全自動運転を実現したロボタクシーサービスの開始を目指しているとのこと。この市場規模は数千億ドルから数兆ドルにも及ぶとされており、実現すれば同社にとって大きな収益源となる可能性があります。
イーロン・マスクCEOも「2025年の第2四半期までに人間よりも安全な自動運転を達成する」と述べており、この楽観的な見通しは投資家の間で大きな関心を集めています。特に、2024年10月に行われたロボタクシーイベント以降、テスラ株は約70%上昇し、5,000億ドル以上の時価総額増加を記録しました。
最新のFSDバージョン13.2の実力
記事によれば、テスラのFSD技術は毎年進化を遂げており、最新のバージョン13.2では「人間の熟練ドライバーに近い運転」が可能になったとのこと。特に以下の点が改善されたと指摘されています。
- 駐車場からの自動運転開始
- 工事区域や歩行者の回避
- 難しい左折や速度調整の精度向上
バロンズの記者による実際のテストでは、運転の介入回数が大幅に減少したと報告されています。ただし、100%の人間監視がまだ必要であることから、完全な自動運転には至っていません。
アナリストの評価と市場の見方
トゥルイストのアナリストであるウィリアム・スタイン氏は、テスラのFSD技術について「以前は重大な欠陥が多かったが、バージョン13では非常に印象的だった」と評価しています。ただし、完璧には程遠いとし、格付けは「ホールド」としています。一方、2025年1月3日時点でのテスラ株価は410ドルを超えており、市場ではすでに期待値が高い状態です。
投資家への示唆
バロンズの記事では、FSDの進化がテスラの株価に大きな影響を与える可能性を強調しています。2025年のロボタクシー実現が成功すれば、株価のさらなる上昇が期待できますが、技術的な遅れや規制上の問題が発生するリスクもあります。
テスラに投資する際には、最新技術の進化状況だけでなく、市場全体の動向や規制環境を慎重に見極めることが重要です。
まとめ
テスラの自動運転技術は急速に進化しており、2025年の同社の株価に大きな影響を与える可能性があります。今回ご紹介したバロンズの記事は、FSDの最新状況や市場の期待を理解するうえで非常に参考になる内容です。テスラの動向に関心がある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
【参考】
この記事はバロンズの「We Tested Tesla’s Newest Self-Driving Software. This Is the Surprise.」を元に作成しています。
＊過去記事はこちら テスラ TSLA