2024年は宇宙開発業界にとって歴史的な年となり、多くの企業が成長を遂げました。スペースX、ASTスペースモバイル(ASTS)、インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)のような企業が大きな注目を集め、それぞれの分野で重要な進展を見せました。本記事では、2025年の宇宙開発業界の注目トレンドや主要プレイヤーの動向を整理しながら展望を解説します。
ASTスペースモバイルの市場拡大
ASTスペースモバイル(ASTS)は2024年に最初の5基の商業衛星を打ち上げ、宇宙ベースの携帯電話ブロードバンドサービスの展開を加速しました。同社は現在、米国、欧州、日本などの主要市場に向けて事業を拡大しており、2025年と2026年にさらなる打ち上げが計画されています。昨年、同社の株価は過去1年で378%上昇し、市場からの注目度が高まりました。
ロケット・ラブの革新的な進歩
宇宙ロケット打ち上げ企業ロケット・ラブUSA(RKLB)は、2021年に特別目的買収会社(SPAC)を通じて株式公開を果たしました。同社は、エレクトロンロケットの需要を背景に過去1年で株価が432%上昇し、大きな成長を遂げました。今年は新型ニュートロンロケットの試験打ち上げが予定されており、2026年には3回の打ち上げが計画されています。この進歩により、業界内での存在感がさらに高まるとみられます。
*過去記事「ロケット・ラブの株価が急騰!第3四半期の好調業績と未来への期待とは?」
インテュイティブ・マシーンズの月面探査事業
ヒューストンを拠点とする宇宙探査企業インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は、2024年に月面着陸ミッションで大きな成果を挙げました。同社はNASAとの契約を次々と獲得し、2025年初頭には新たなIM-2ミッションを予定しています。また、NASAの近宇宙ネットワークにおける契約を通じて、売上の大幅な増加が期待されています。過去1年の株価の上昇率は852%に達しました。
*過去記事「株価552%上昇:インテュイティブ・マシーンズが切り開く宇宙の未来」
Procure Space ETFの注目企業
Procure Space ETF(UFO)は、宇宙産業への投資を目的とした上場投資信託(ETF)です。同ETFには、ロケット・ラブ、インテュイティブ・マシーンズ、プラネット・ラブズ(PL)、グローバルスター(GSAT)などの企業が含まれています。特にインテュイティブ・マシーンズはETF内での主要銘柄となっており、その飛躍的な株価上昇がETF全体のパフォーマンスを押し上げています。
スペースXの技術的進化と影響
スペースXは2024年に130回以上の打ち上げを成功させ、業界の最前線を走り続けています。今年もスターシップの飛行試験や新技術の導入により、さらなる成長を目指しています。同社は2027年のアルテミスIIIミッションで月面着陸を目指すNASAのパートナーとなり、今後の宇宙開発をリードする役割を果たしています。
ボーイングの課題と期待
ボーイング(BA)はスターライナー計画において苦戦が続いていますが、2025年に向けて新たなミッションの成功を目指しています。同社はスペースXに追随する形で、宇宙飛行士を安全に地球に帰還させる能力を示すことに注力しており、業界内での競争がさらに激化する見通しです。
2025年に期待される「月周回経済」
専門家によると、宇宙を活用した新たな経済圏、いわゆる「月周回経済」の可能性が注目されています。宇宙ベースの通信技術や月面での研究が進むことで、地球と月の間に新たな市場が形成されることが期待されています。これらの取り組みは、人類の宇宙進出をさらに推進する原動力となります。
おわりに
2025年は宇宙開発業界にとって、さらなる成長と進化の年になると予測されています。新しい技術や市場の拡大により、宇宙産業は地球経済においてますます重要な役割を果たしていくと考えられています。これからの動向に注目し、宇宙関連株への投資機会を慎重に検討することが重要です。