1月3日の米国株市場で、ブロック(SQ)の株価が上昇しました。これは、レイモンド・ジェームズのアナリストが2025年に向けた成長の可能性を評価し、同銘柄の格付けを引き上げたことが背景にあります。
キャッシュアプリの運営会社であるブロックの株価は、3日の正午過ぎの段階で5.27%上昇し、91.32ドルで取引されています。アナリストのジョン・デイビス氏は、ブロックの格付けを「マーケットパフォーマンス」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を115ドルと設定しました。
GPVに期待が高まる
デイビス氏は、ブロックの「販売者総支払額(GPV)」を最も重要な指標として強調しています。GPVは、ある期間中に販売者が処理したすべての取引の総額を指し、2024年第3四半期には前年同期比7.5%の増加を見せました。
「2025年には販売者総支払額が2桁台に加速する可能性が高い」とデイビス氏は述べており、同社株が成長の見込みに対して割安であるとも指摘しています。
さらに、過去3か月間で33%の上昇を見せたブロックの株価は、2026年予想の調整前利益(EBITDA)のわずか16倍という評価で取引されていることも評価ポイントとされています。
キャッシュアプリの成長におけるリスクと可能性
一方で、デイビス氏はリスクについても言及しています。2025年のキャッシュアプリの粗利益の上昇が大幅に減速し、10%台前半に落ち込む可能性が懸念されています。キャッシュアプリは2024年第3四半期に1億3000万ドルの粗利益を記録し、前年同期比で21%増加しました。
デイビス氏はキャッシュアプリを「ワイルドカード」と表現しており、新規アクティブユーザー数が過去2四半期にわたり横ばいで推移していることを指摘しました。しかし、既存顧客基盤のエンゲージメントを強化することで、ユーザー数が伸び悩んでも粗利益の上昇を維持できる可能性があると述べています。
ブロックの事業構造と今後の見通し
ブロックはクラウドベースのPOSシステム「Square」とデジタルウォレット「Cash App」の2つの主要セグメントで事業を展開しています。同社は、元Twitter CEOであるジャック・ドーシー氏によって2009年に設立されました。
今回のアナリスト評価は、2025年以降の成長シナリオに対する期待を反映しており、投資家にとって注目すべきポイントが多く含まれています。販売者総支払額の加速が確認されれば、さらなる株価上昇の可能性も高まると考えられます。
*過去記事はこちら ブロック SQ