2025年の年明け、アップル(AAPL)の株価は厳しいスタートを切りました。中国市場でのiPhone販売の不振に対する懸念が高まり、特に競争の激化を受けて一部のモデルを値引きするとの報道が影響を与えました。この結果、新年最初の取引日にアップル株は2.62%下落し、243.85ドルとなりました。
iPhone販売予測の引き下げ
UBSのアナリスト、デビッド・フォクト氏率いるチームは、iPhoneの販売予測をさらに下方修正しました。この修正後の予測はウォールストリートのコンセンサスを下回る内容となっています。アップルにとって、iPhoneの売上は非常に重要であり、2024年度の総売上の51%を占めました。
フォクト氏は「厳しい冬の到来を迎えた」と表現しており、特に2024年12月四半期全体でiPhoneの売上が前年比5%減少する可能性を指摘しています。この予測はVisible Alphaのコンセンサス予想や、直近の四半期決算でアップル経営陣が示唆した成長率予測を下回るものです。
中国市場での苦戦
特に中国市場でのiPhone販売が厳しい状況です。11月には、iPhoneの売上が前年同月比で8%減少し、中国での販売台数は28%の大幅な減少を記録しました。アップルはこの苦境に対応するため、1月4日から7日の間、中国国内で特定の支払い方法を利用した場合にiPhoneの複数モデルを値引き価格で提供する予定です。たとえば、主力モデルのiPhone 16 Proは7,999元の開始価格から500元の割引が適用されています。
中国の経済状況もiPhone販売に影響を与えています。不動産危機や消費支出の減少が続き、消費者が支出よりも貯蓄を優先する傾向が見られます。この状況は、中国国内の競争をさらに激化させる要因となっています。
世界市場でのiPhone販売の傾向
iPhone販売の減少は中国にとどまりません。ヨーロッパでは11月の販売台数が前年同月比で8%減少し、米国市場でも5%の減少を記録しました。これらの動向は、世界市場全体の傾向とも一致しています。
UBSの目標株価と評価
UBSはアップルの目標株価を236ドルに設定し、同社株を「ナチュラル」と評価しています。この目標株価は、ファクトセットが調査した54人のアナリストによる平均目標株価248ドルを下回る水準です。
まとめ
2025年の年初から厳しい状況に直面しているアップルは、中国市場での競争や経済的な逆風に対処しながら、グローバル市場でのiPhone販売の回復に取り組む必要があります。同社の今後の動向に注目が集まっています。
*過去記事はこちら アップル AAPL