2024年に力強い成長を見せたアルファベット(GOOGL)の株式ですが、2025年の展望は不透明感が漂っています。シティズンJMP証券のアナリスト、アンドリュー・ブーン氏は、同社株の格付けを「アウトパフォーム(買い推奨)」から「マーケットパフォーム(中立)」に引き下げました。
アルファベットの株価見通しを左右する要因
ブーン氏は、昨年の反トラスト判決に関連する動向が投資家心理に大きな影響を与える可能性があるとしています。アルファベットは検索サービスやテキスト広告で独占的な地位を有すると認定されましたが、どのような対策が講じられるべきかについてはまだ結論が出ていません。
今年の3月または4月に新たな裁判が予定されており、最終的な決定は8月になる見込みです。この裁判結果が株価の評価において重要なポイントとなりそうです。
反トラスト問題の影響とGoogleの提案
米司法省は、アルファベットに対して「Chromeウェブブラウザの売却」を求める意向を示しています。一方、Googleは独自の対策案を昨年末に提示しました。その提案では、企業が異なるプラットフォームで複数のデフォルト検索エンジンを選択可能とし、デフォルトのプロバイダーを12カ月ごとに変更できるようにするという内容です。さらに、Googleは検索エンジンの優先的な配置を引き続き購入できる仕組みも盛り込んでいます。
ブーン氏は、これらの問題が投資家の関心を引き続き集めるため、株価の評価倍率(P/E倍率)の拡大が限定的になると見ています。仮に厳しい決定が下された場合、アルファベットが控訴する可能性もありますが、同氏は「罰則は重大なものになる」と予測しています。
アルファベット株の現状評価
現在、アルファベット株の予想株価収益倍率(P/E)は21.07倍で、昨年の反トラスト判決前の24倍近くから低下しています。同社の過去5年間の平均P/Eは21.1倍となっています。
ブーン氏は、「2024年に37%のリターンを達成した後、現時点では中立的な立場を取るのが適切だ」と述べています。また、同氏は法的状況に関する明確な情報が得られるまで、アルファベット株に対して積極的な見解を持つのは難しいと考えています。
アルファベット株は新年初日の取引で191.79ドルをつけ、前取引日から0.7%の上昇となりました。なお、シティズンJMP証券はアルファベット株の目標株価を撤回しています。
*過去記事 アルファベット GOOGL