2024年は米国株市場にとって驚異的な成長の年となり、時価総額1兆ドルを超える「1兆ドルクラブ」の企業が8社に拡大しました。これらの企業の時価総額合計は、2023年末の10兆ドルから19兆ドルに倍増しています。この成長の背景には、低金利環境と人工知能(AI)への期待がありました。
1兆ドルクラブ企業の時価総額ランキング(2024年12月31日現在)
ランキング | 企業名 | ティッカー | 時価総額 |
---|---|---|---|
1 | アップル | AAPL | 3.8兆ドル |
2 | エヌビディア | NVDA | 3.3兆ドル |
3 | マイクロソフト | MSFT | 2.9兆ドル |
4 | アルファベット | GOOGL | 2.4兆ドル |
5 | アマゾン | AMZN | 2.2兆ドル |
6 | テスラ | TSLA | 1.5兆ドル |
7 | メタ | META | 1.3兆ドル |
8 | ブロードコム | AVGO | 1.1兆ドル |
アップル:時価総額3.8兆ドルで依然トップ
米国最大の企業であるアップル(AAPL)は、2024年も市場価値で他社を圧倒しました。その時価総額は3.8兆ドルに達し、クラブ内で最大規模を維持しています。売上の半分以上を占めるiPhoneの成功と、AIの活用による利益増加への期待が株価を押し上げています。アップルは、2018年に時価総額1兆ドル、2022年に3兆ドルを達成した初の企業としても知られています。
エヌビディア:急成長でクラブ2位に浮上
AIデータセンター用のチップを製造するエヌビディア(NVDA)は、2024年に最も大きな成長を遂げた企業の一つです。同社の時価総額は1年間で2兆ドル以上増加し、3.3兆ドルに到達しました。これにより、2023年の5位から一気に2位に浮上しました。同社は2023年5月に1兆ドル、2024年6月には3兆ドルの大台を突破しています。
ブロードコム:新たに1兆ドルクラブ入り
シリコンバレーの半導体企業であるブロードコム(AVGO)は、2024年12月13日に初めて1兆ドルクラブ入りを果たしました。AIチップだけでなく、エンタープライズ向けソフトウェアやセキュリティソリューションを手掛けており、2023年末から時価総額を倍増させ、現在は1.1兆ドルとなっています。
テスラとメタ:再びクラブに復帰
テスラ(TSLA)とメタ・プラットフォームズ(META)は、過去数年間の苦境を乗り越え、2024年に1兆ドルクラブに復帰しました。テスラは電気自動車の売上低迷が懸念されていましたが、2024年11月にドナルド・トランプ氏が再選されたことを受けて株価が急騰しました。同社のCEOであるイーロン・マスク氏が次期大統領の効率化アドバイザーとして活動することが市場に好影響を与えたと考えられます。
一方、メタはFacebookやInstagramなどのアプリを通じた広告売上が堅調に推移しており、これが株価回復の大きな要因となりました。
1兆ドルクラブの成長が示す未来
2024年の米国株市場は、AIや低金利環境の恩恵を受け、特にテクノロジー企業の株価が大きく上昇しました。2025年以降も、これらの企業が市場の中心となり、さらなる成長を遂げる可能性が高いとされています。一方で、市場のボラティリティにも注視が必要です。
1兆ドルクラブに属する企業の動向は、投資家にとって重要な指標となります。これらの企業がどのように新たな技術や市場環境に対応していくのか、今後も注目が集まります。