2024年、パランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価は急上昇し、340%という驚異的な上昇を記録しました。この成績は、ナスダック総合指数の年間23%の上昇を大きく上回っています。同社は、連邦および民間双方の顧客にソフトウェアプラットフォームと分析を提供しており、生成AIを業務に統合するためのソフトウェアプラットフォームに対する需要の高まりを受け、注目を集めています。
パランティアの成長要因
パランティアのAIソフトウェアプラットフォームは、企業や政府がクラウド上でAIアプリケーションを開発、テスト、展開、管理できるように設計されています。生成AIを活用して業務効率を向上させたいと考える企業の増加に伴い、これらのプラットフォームへの需要が急速に拡大しています。
市場調査会社IDCは、2023年にパランティアをAIソフトウェアプラットフォームプロバイダーのトップ5にランクインさせました。同社は、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンといった業界大手がひしめく中、存在感を示しています。
2024年の売上と顧客基盤の拡大
2024年のパランティアの四半期業績は、次のように顕著な成長を見せています。
- 第1四半期の売上は前年同期比21%増。
- 第2四半期には27%増。
- 第3四半期には30%増の7億2600万ドル。
2024年の最初の9か月間の売上は20億ドルを超え、前年同期比で約27%増加しました。この成長率は、2023年の同期間における15%増を大幅に上回っています。
この加速した成長の背景には、同社の人工知能プラットフォーム（AIP）の顧客獲得に向けた積極的な戦略があります。特に注目されるのは、顧客が生成AIを業務に統合する方法を5日間で学べる”ブートキャンプ”の実施です。2023年に500回以上開催されたブートキャンプは、2024年には平均して1日5回開催され、顧客基盤の拡大に寄与しました。
顧客数と契約額の増加
2024年第3四半期、パランティアの顧客数は前年同期比39%増の629社となり、商用顧客数は51%増加しました。さらに、同社の総契約額（TCV）は前年比で33%増加し、収益パイプラインの改善が見られます。
また、顧客支出の増加を示すNet Dollar Retention Rate（NDR）は前年同期比で11ポイント増の118%に達しました。このような顧客基盤の拡大と支出の増加は、パランティアの利益率の向上にも貢献しています。
今後の成長見通し
パランティアは、成長初期段階にあるAIソフトウェアプラットフォーム市場で事業を展開しています。2023年には280億ドル規模だったこの市場は、年平均成長率40.6%で成長し、2028年には1530億ドルに達すると予想されています。この市場の成長性を背景に、パランティアの成長がさらに加速する可能性があります。
ただし、課題も存在します。同社の株価収益率（PER）は400と非常に高く、評価額の高さが成長を制約するリスクがあります。しかし、AI市場の拡大と顧客基盤の急速な成長を考慮すると、パランティアがこの課題を克服し、さらなる成長を遂げる可能性も十分にあります。
投資家への提言
成長志向の投資家にとって、パランティアはまだ魅力的な成長余地を持つ銘柄と言えます。同社の長期的な成長性を見据え、ポジションを維持することを検討する価値があります。AI市場の拡大とともに、パランティアの業績がどのように推移するかを引き続き注視することが重要です。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR