12月27日、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)の株価は5%下落し、終値は431.66ドルとなりました。この日、米国市場全体も軟調で、S&P 500は1.1%、ナスダック総合指数は1.5%の下落を記録しました。
テスラのベータ値と市場への影響
投資家で「フューチャー・ファンド・アクティブ(FFND)」の共同創設者であるゲイリー・ブラック氏は、テスラ株のベータ値が約2であることに注目しています。このベータ値は、テスラ株がナスダック総合指数の2倍の値動きを示すことを意味します。ただし、これはテスラ独自の要因が株価に影響を与えない場合に限定されます。
ブラック氏は、テスラの株価の変動は主に市場全体の動きに依存していると考えています。特に金利の動向が重要とされ、27日の10年物米国債利回りは4.6%を超え、2024年春以来の高水準となりました。
金利上昇が自動車業界に与える影響
金利が上昇すると、消費者が融資を利用して自動車を購入するコストが増加します。これにより自動車メーカー全体に負の影響が及びます。また、評価の高い企業の株式は金利上昇時に特に大きな下落圧力を受ける傾向があります。この日は、半導体大手のエヌビディア(NVDA)の株価も2%下落しました。
テスラの第4四半期納車台数に注目
投資家はすでに第4四半期の納車台数に注目しています。テスラは2025年1月2日に四半期の実績を発表する予定です。アナリストたちは、同社の目標である51万5000台には届かないものの、約51万台を達成すると予測しています。なお、第3四半期には46万2890台を納車し、前年同期比で6%の増加となりました。
ブラック氏は、50万台を上回る納車台数であれば、株価を支える要因となる可能性があるとしています。
テスラ株価の週間パフォーマンス
27日の下落があったにもかかわらず、テスラ株は1週間で2.5%上昇し、10ドルの値上がりとなりました。これに対し、S&P 500の週間上昇率は1%未満にとどまっています。さらに、テスラ株は2024年11月の選挙以来、約72%上昇しています。
2025年に向けたテスラの成長戦略
投資家の関心は、テスラが2025年に展開予定の新型モデルや自動運転ロボットタクシーに集まっています。同社は2025年前半に低価格EVを発売し、後半にはロボットタクシーサービスを開始する計画です。
CEOのイーロン・マスク氏によると、新型モデルと価格戦略により、2025年の販売台数は前年比で20~30%増加する可能性があるとのことです。テスラは2024年に約180万台の車両を販売する見込みで、2025年には約210万台の販売が予想されています。この数字は、ウォール街の見通しを上回る可能性もあります。
まとめ
テスラは2025年に向け、新型モデルや自動運転技術を武器にさらなる成長を目指しています。一方で、金利上昇や市場環境の影響を受けやすい点も課題として挙げられます。投資家は四半期ごとの納車台数や戦略の進捗を注視しながら、長期的な展望を評価する必要があります。
*過去記事はこちら テスラ TSLA