AIの未来を握るTSMC:長期投資家が注目すべき理由

  • 2024年12月26日
  • 2024年12月26日
  • TSMC

現在の半導体業界において、エヌビディア(NVDA)ほど知名度の高い企業はありません。同社は、生成AIアプリケーション向けに設計されたグラフィックプロセッシングユニット(GPU)の開発で世界をリードしています。しかし、エヌビディアの成功の陰には、TSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の存在があります。TSMCは、エヌビディアや他の主要企業向けに、チップの製造を支える重要な役割を果たしています。

TSMCがAI市場で果たす役割

TSMCは、GPUを製造するための高度なプロセスを専門としています。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム(QCOM)、アマゾン(AMZN)といった企業がチップ設計を行う一方で、これらの設計を実際に製造しているのはTSMCです。同社の年次報告書によると、同社はこれらの企業に加えて、マイクロソフト(MSFT)やソニーといったテクノロジー分野の大手とも提携しています。

AI市場の成長に伴い、GPUの需要が急増していますが、TSMCの技術力と製造能力は、この成長を支える鍵となっています。

GPU市場の成長とTSMCの長期的展望

調査会社Mordor Intelligenceの報告によれば、GPUの世界市場は2024年から2029年の間に年平均成長率(CAGR)33%で成長し、10年後には2740億ドル規模に達すると予測されています。このような急成長する市場の中で、TSMCの存在感はさらに増していくと考えられます。

エヌビディアの次世代GPUであるBlackwellチップ(2024年)やRubin GPU(2026年)、さらにAMDやマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾンが開発中のチップが市場投入される予定であり、GPU需要の増加が見込まれます。この需要を受け、TSMCが市場シェアを拡大する機会は十分にあると考えられます。

TSMCの株価評価と成長可能性

2024年12月時点で、TSMCの株価は年初来で約90%の上昇を見せ、S&P 500指数やナスダック総合指数を大きく上回るパフォーマンスを記録しています。それにもかかわらず、TSMCの株価は過小評価されている可能性があります。

現在のTSMCの予想株価収益率(PER)は22.2倍で、S&P 500指数と同程度です。市場全体と同水準の評価がなされていることを踏まえると、同社の成長ポテンシャルが完全に織り込まれていない可能性があります。

TSMCを取り巻くリスクと投資判断

TSMCに関連するリスクとして、まず挙げられるのが台湾と中国の地政学的な緊張です。この要因が、投資家にとっての懸念事項となっています。また、アメリカ国内の半導体製造拡大政策により、インテル(INTC)のファウンドリ事業が恩恵を受け、TSMCとの競争が激化する可能性も指摘されています。

しかし、これらのリスクを踏まえたとしても、TSMCへの投資は市場全体への投資よりも高いリターンをもたらす可能性があります。AI市場の拡大を背景に、同社がその中核的な役割を果たしていることは間違いありません。

長期投資家にとってのTSMCの魅力

現在の評価額を考えると、TSMCは明らかに魅力的な投資機会を提供しています。AI市場の成長を追い風に、同社がさらなる成長を遂げる可能性は高いと言えます。長期的な視点を持つ投資家にとって、TSMCはポートフォリオに加える価値のある銘柄です。

*過去記事 TSMC

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