台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC、2330.TW)の株価が過去最高値を更新しました。同社は世界最大の受託生産チップメーカーとして、過去25年間で最高の年間株価を記録する勢いです。
12月24日の台北株式市場では、一時的に株価が1.4%上昇し、11月8日に記録された最高値を上回りました。しかし、その後は上昇分を帳消しにして、ほぼ横ばいで取引を終えています。この動きは、主要顧客であるエヌビディア(NVDA)やその他の米国の半導体株が前夜に上昇したことに連動したものです。TSMCの株価は今年に入ってから82%の上昇を記録し、人工知能(AI)関連分野への投資熱の高まりが追い風となっています。
AIテーマを扱う「最善の方法」としてのTSMC
フィナンシエール・ド・レシュキエのアジア株式部門の責任者であるケビン・ネット氏は、「TSMCは特定の勝者や技術に依存することなく、AIテーマに関連する投資を適切な評価で行うための最善の選択肢」と述べています。同氏によると、次に注目すべきイベントとして、エヌビディアのCES 2025でのプレゼンテーションと、TSMCの今後の業績およびガイダンスが挙げられます。
TSMCの顧客基盤とAI関連支出の恩恵
TSMCの顧客リストには、エヌビディアだけでなく、アップル(AAPL)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの主要企業も名を連ねています。これらの企業との取引を通じて、AI関連支出の急増から大きな恩恵を受けています。同社の12月期の売上は36%増加すると見込まれており、粗利益率も58.3%に達し、2022年以来の高水準となる予想です。
今後の展望と市場への期待
TSMCの業績好調は、AI技術への需要拡大を背景にしており、半導体業界全体にポジティブな影響を及ぼしています。市場の注目は、今後の同社の戦略や、主要顧客であるエヌビディアやアップルなどとのさらなる連携強化に向けられています。
TSMCはAI関連分野の成長を追い風に、技術力と多様な顧客基盤を活用しながら、新たな市場機会を捉える企業として期待されています。これからの動向に注目が集まる状況です。
*過去記事 TSMC