クアルコムが勝訴!アームとの法廷闘争が生んだ業界への影響とは?

  • 2024年12月22日
  • 2024年12月22日
  • BS余話

デラウェア州の陪審は12月20日の午後、クアルコム(QCOM)アーム・ホールディングス(ARM)の長期化していた法的争いで、クアルコム側を支持しました。この裁判は、アームがその主要な顧客の一社を相手に訴訟を起こすという、異例のケースとして注目されていました。

訴訟の背景

提携企業間の不和は2022年に発生しました。アームは、クアルコムが2021年に14億ドルで買収したNuvia社とのライセンス契約の条件に違反したと主張。一方、クアルコムはNuviaから移転された技術がアームとのライセンス契約の対象であると反論しました。最終的に陪審はクアルコムの主張を支持する形となりました。

この勝訴はクアルコムにとって重要な意味を持っています。Nuviaの技術は現在、同社のスマートフォン、PC、自動車向けの主要なチップの基盤として活用されています。仮にクアルコムが敗訴していた場合、アームが有利な条件で新たなライセンス契約を交渉する可能性がありました。

クアルコムの法務顧問であるアン・チャプリン氏は、「陪審員はクアルコムの革新の権利を認め、この訴訟の対象となった全てのクアルコム製品がアームとの契約で保護されていることを確認しました」と述べています。

アームにとっての影響

今回の判決は、顧客に対して強硬な姿勢を取るアームの戦略に疑問を投げかけるものとなる可能性があります。同社はクアルコムを提訴しただけでなく、新技術の価格を2倍に引き上げる動きも見せています。さらに、アームが顧客と競合する形で独自のチップを製造する計画も報じられています。

アームの広報担当者は、「陪審員が一部の主張について意見の一致を見なかったことは残念です。再審理を求める予定です」とコメントしました。また、「当社の最優先事項は、アームの知的財産と、これまで築いてきたエコシステムを守ることです」と述べ、引き続き市場におけるイノベーションを促進していく姿勢を強調しました。

市場への影響

21日の時間外取引では、アームの株価が約2%下落した一方で、クアルコムの株価は2%上昇しました。この結果は、クアルコムが技術革新の継続と市場での競争力を維持できると期待されたためと考えられます。

今回の判決は、業界全体に影響を及ぼす可能性があり、クアルコムやアームの今後の戦略に注目が集まっています。

*過去記事「アーム vs クアルコム:PC市場を揺るがす知的財産戦争の行方

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