ネットフリックス株はまだ上昇余地あり、UBSが目標価格を引き上げ

ネットフリックス(NFLX)の株価は今年大幅に上昇し、割安とは言い難い水準に達していますが、UBSはなおも上昇余地があると見ています。

アナリストのジョン・ホドルリク氏は、ネットフリックスの目標株価を従来の825ドルから1,040ドルに引き上げました。これは、12月18日の終値899.55ドルから約16%の上昇を見込む内容です。ホドルリク氏は、同社に対する「買い」の評価を引き続き維持し、ヒット番組『ブリジャートン家』や『アウターバンクス』を提供する同社の将来性を評価しています。

強力なコンテンツと売上成長への期待

ホドルリク氏によれば、ネットフリックスは今後も投資を続け、2025年第4四半期には充実したコンテンツラインナップが成果を生み出すと予測されています。また、価格設定の見直しや広告需要を活用する能力を高めることで、サブスクリプションの成長をさらに後押しするとのことです。

2024年の株価上昇はS&P500を大きく上回る

ネットフリックスの株価は2024年に入り、85%もの上昇を記録しています。この成績はS&P 500種指数の24%の上昇を大幅に上回り、同社にとって2015年以来の最高の年間上昇率となる可能性があります。2015年には134%の上昇を記録しました。

株価上昇の背景にある戦略的施策

今年の好調な株価パフォーマンスの理由として、パスワード共有の取り締まり、広告付きの低価格プランの導入、ライブイベントのストリーミング配信などが挙げられます。10月には第3四半期の有料会員総数が2億8,270万人に達し、ウォール街の予測である2億8,170万人を上回りました。また、11月には広告表示付きプランの月間アクティブユーザー数が全世界で7,000万人に達したと発表されました。

今後、ネットフリックスは人気番組『ストレンジャー・シングス』や『イカゲーム』の新シーズンを複数公開する予定です。さらに、NFLのクリスマスゲームのライブ配信も予定されており、スポーツ中継分野への進出が注目されています。ホドルリク氏は、これらの新しいコンテンツラインナップが来年の成長をさらに加速させるとしています。

評価額の上昇が一部アナリストの懸念材料に

一方で、株価上昇に伴い評価額も急上昇している点が懸念されています。現在、株価は今後12カ月間の予想1株当たり利益の37.6倍で取引されています。これは、S&P 500種指数の平均である21.6倍と比べて大幅に高い水準です。

カナコード・ジェニュイティのアナリスト、マリア・リップス氏は、「ネットフリックスの株価は過去5年間の平均EV/売上高倍率を上回る水準で取引されており、将来の成長への期待が高まりすぎているように見える」と指摘しました。同氏は、ネットフリックスの目標株価を940ドルとし、「ホールド」の評価を維持しています。

今後の展望

19日の米国市場で、ネットフリックスの株価は1.4%上昇し902.04ドルで取引を終えました。今後の注目点として、充実したコンテンツ戦略やスポーツ中継への進出が同社の売上成長にどのような影響を与えるかが注目されます。ネットフリックスの大胆な挑戦が、引き続き市場の期待を上回る成果をもたらすか、投資家の関心が集まっています。

*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX

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