決済企業であるブロック(SQ)の株価は、さらなる上昇余地が見込まれています。特に、ビットコイン採掘(マイニング)に関する取り組みが同社の成長を後押しする可能性があると、投資銀行オッペンハイマーが指摘しました。
12月19日、レイナ・クマール氏率いるオッペンハイマーのアナリストチームは、ブロックの格付けを「アウトパフォーム」に格上げしました。目標株価は115ドルと設定されており、これは現在の株価から約32%の上昇余地があることを意味します。
ブロックのビジネスモデルと株価の動き
ブロックは、SquareとCash Appという2つの主要セグメントを通じて事業を展開しています。Squareはカード決済を可能にするPOSシステムを提供し、Cash Appはデジタルウォレットサービスを展開しています。ブロックの株価は19日の米国市場午前の段階で89.30ドルで取引されており、1.6%の上昇を見せています。
今回の格上げの背景には、総決済額(GPV)の成長率が加速するという見通しがあります。アナリストたちは、2025年のGPV成長率が2024年の約9%から12%へ加速すると予測しています。この成長率は、現在の市場予想である10%を上回る水準です。
ビットコイン採掘戦略がさらなる成長を後押し
また、ビットコイン採掘戦略も注目されています。7月には、ブロックが新しいアプリケーション専用集積回路(ASIC)採掘チップを発表し、大手ビットコイン採掘企業であるコア・サイエンティフィックがこれを展開すると発表されました。
アナリストたちは、このカスタマイズされたASIC採掘チップが、採掘の普及と分散化を促進すると見ています。また、オッペンハイマーは、詳細な取引内容は明らかではないものの、ブロックがASIC採掘チップ市場で、エヌビディア(NVDA)のような地位を目指していると評価しました。
潜在市場の大きさと今後の見通し
ブロックは市場シェアを拡大し続けており、同社の製品群から得られる売上も増加しています。さらに、未開拓の潜在市場が大きく残されていることも、同社の成長余地を裏付ける要因です。
今回のオッペンハイマーによる分析は、ブロックの技術力や戦略が今後の成長に寄与するとする見方を強調しています。特に、ビットコイン採掘関連の技術革新と事業拡大が、同社の株価上昇を支える重要なポイントとなりそうです。