ビザ(V)がモルガン・スタンレーの「トップピック」として注目されています。同社のアナリストチームが示した見解には、決済および処理分野が好転すると予測される背景に基づく3つの主要テーマがあります。
投資家の再投資意欲の高まり
アナリストによると、決済分野に対する投資家の再投資意欲が高まっており、このトレンドは2025年まで続くと予想されています。この背景には、持続可能な成長を評価する投資家の姿勢が影響しています。ビザにとって、この成長機会を活用することで、さらなる売上を期待できます。
Z世代とミレニアル世代の消費動向
米国の消費者調査では、Z世代やミレニアル世代の金融面での願望は過去の世代と大きく変わらないことが判明しました。この結果は、クレジットカードや旅行特典を提供する企業にとってポジティブな影響を与えると考えられます。ビザはこうした消費者ニーズを取り込み、競争力を強化しています。
フィンテック企業の専門化への移行
フィンテック企業が高い資本コストと売上へのプレッシャーに直面する中で、より高度な専門化が求められるとされています。こうした動きは、ビザのような既存の決済プロバイダーにとって競争上の優位性を生む要因となります。
その他の業界テーマ
業界全体では、さらなる合併や買収の機会、規制環境の緩和といったテーマが挙げられています。ビザはこれらのトレンドを活用し、事業拡大を目指しています。
ビザの目標株価と市場評価
モルガン・スタンレーのアナリストチームは、ビザの株価目標を従来の326ドルから371ドルに引き上げました。同時に「オーバーウェイト」の格付けを維持しており、旅行による利益や付加価値サービス、規制の監視緩和、有利な取引戦略が同社の評価を支えるとしています。12月18日の朝方の取引では、ビザの株価は0.7%上昇し、320.67ドルとなりました。
他の決済関連銘柄の目標株価変更
ビザ以外の決済関連銘柄についても、モルガン・スタンレーは目標株価を見直しました。以下はその主な変更内容です。
- マスターカード(MA): 564ドルから654ドルに引き上げ(オーバーウェイト)。
- フィサーブ(FI): 220ドルから258ドルに引き上げ(オーバーウェイト)。
- グローバル・ペイメンツ: 156ドルから166ドルに引き上げ(オーバーウェイト)。
- ペイパル(PYPL): 76ドルから90ドルに引き上げ(イコールウェイト)。
- フィデリティ: 87ドルから92ドルに引き上げ(イコールウェイト)。
- シフト4ペイメント(FOUR): 90ドルから109ドルに引き上げ(イコールウェイト)。
- ブロック(SQ): 60ドルから65ドルに引き上げ(アンダーウェイト)。
これらの目標株価の改定は、決済およびフィンテック分野における成長期待が高まっていることを示しています。ビザをはじめとするこれらの企業は、投資家にとって引き続き注目すべき存在です。
*過去記事「ビザ第4四半期決算:予測超えの収益成長で株価上昇!」