エヌビディアが調整局面に突入:株価下落の背景と今後の展望

エヌビディア(NVDA)の株価が12月16日、調整局面に突入しました。市場は同社の人工知能(AI)プロセッサー販売における課題を慎重に見極めています。株価は1.68%下落し、16日の終値は132ドルとなりました。13日には2.3%の下落を記録しており、年初来で167%上昇しているものの、11月7日の最高値148.88ドルから現在11%下落しています。

エヌビディアの成長期待と横ばいの株価動向

過去1か月間、エヌビディアの株価は横ばいが続いています。同社はAIプロセッサー市場で支配的地位を維持する見込みがある一方で、新型AIチップ「Blackwell」の販売スピードが注目されています。市場は、同社がどの程度迅速に販売を拡大できるか、その証拠を待っている状況です。

さらに、米国政府が先進的AIチップの販売に関して、新たな規制を準備していることが課題となっています。規制では、中国が他国を通じて高性能な計算能力にアクセスするのを制限するため、東南アジアや中東におけるチップ販売に上限を設ける可能性があるとウォールストリートジャーナルが報じました。

自社成長がもたらす課題と競争環境

過去2年間の驚異的な成長が、エヌビディアにとって新たなハードルとなっています。ファクトセットが調査したアナリストの予測では、2024年に売上が2倍以上の1,233.7億ドルに達すると見込まれる一方、2025年の売上成長率は55%増の1,914.5億ドルと、伸びが鈍化することが予想されています。しかし、売上成長の減速が全体像を語るわけではありません。調整後1株当たり利益は、2024年の2.72ドルから2025年には4.20ドルへと大きく伸びる見込みです。

同社が直面するもう一つの障壁は、短期的な利益を求める投資家の離脱です。他の半導体メーカーへの注目が高まっており、特にブロードコム(AVGO)がその代表例です。同社は13日に決算発表を受けて株価が24%急騰し、16日の市場でも11.21%高の250ドルと高騰しました。カスタムAIチップの可能性が評価されています。

分散する投資家の関心と今後の展望

BofAセキュリティーズのアナリストであるヴィヴェック・アリヤ氏は、16日のリサーチノートで、エヌビディアのBlackwellチップの出荷に対する不確実性、産業・自動車セクターの回復の遅れ、中国規制の懸念が半導体株全般に影響を与えていると指摘しました。一方で、投資家の関心は中国の影響を受けにくいAI関連ソフトウェア株に移行していると述べています。

それでもアリヤ氏は、エヌビディアを2025年の半導体セクターにおける「トップピック」として評価しています。米国内の顧客によるBlackwellの導入が、AIチップ関連株を押し上げる要因になると見ています。

エヌビディアは短期的な不確実性に直面していますが、中長期的な成長ポテンシャルを維持していることは明白です。同社の業績や戦略がどのように進展するかが、投資家の注目を集めています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG