AIチップやスマートフォン向け半導体の需要が堅調であることから、来年はこれらの分野における投資が注目されています。半導体市場を分析するバーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、エヌビディア（NVDA）、ブロードコム（AVGO）、クアルコム（QCOM）を推奨銘柄として挙げています。同氏は、これらの3社に対して「アウトパフォーム（市場平均を上回る）」の評価を与えています。
エヌビディアの魅力：新製品サイクルが大きな注目ポイント
エヌビディアは特に次世代製品「Blackwell」のサイクルが重要視されています。ラスゴン氏は、「需要は非常に高水準で推移しており、2025年は極めて良好な年になると考えられる」と述べています。AI関連チップ市場での圧倒的な存在感が投資家にとっての魅力となっています。
同氏はエヌビディアの目標株価を175ドルと設定しています。
＊過去記事 エヌビディアNVDA
ブロードコム：AIチップ売上の上昇が期待される
ブロードコムもまた大きな可能性を秘めています。同社は2025年後半からAIチップの売上が急上昇するとラスゴン氏は予想しています。また、2027年度までに600億ドル〜900億ドル規模の顧客向けAIチップ市場へのアクセスが期待されています。
ブロードコムは、ネットワーキング、ブロードバンド、サーバー用ストレージ、無線通信、産業分野など、さまざまなカテゴリーの半導体を展開しています。その中には生成AIアプリケーションに関連するチップも含まれており、AI市場での成長が追い風となっています。
ラスゴン氏はブロードコムの目標株価を250ドルに設定しています。
＊過去記事 ブロードコム AVGO
クアルコム：割安感のある魅力的な銘柄
クアルコムについて、ラスゴン氏は「非常に割安な水準」と評価しています。同社はモバイルプロセッサーや5G無線チップの主要メーカーであり、さらに自動車向け事業への期待も高まっています。クアルコムの技術力と市場での競争優位性が、将来的な成長に貢献すると見られています。
同氏はクアルコムの目標株価を215ドルに設定しています。
＊過去記事「クアルコムの大胆な挑戦：PC市場で40億ドルを目指す戦略の全貌」
まとめ
AIチップとスマートフォン用半導体市場の需要増加は、エヌビディア、ブロードコム、クアルコムといった銘柄に注目する投資家にとって魅力的な機会を提供しています。それぞれの企業は、異なる分野で成長を遂げつつありますが、共通してAI関連市場での売上拡大が期待されています。2025年以降の成長見通しを踏まえた長期的な投資戦略を考える上で、これらの銘柄は欠かせない選択肢となっています。