エヌビディア（NVDA）はこれまで人工知能（AI）のムーブメントを牽引してきました。同社のプロセッサは、ほとんどのデータセンターの中心的な役割を果たし、同社の株価は2023年以降、人工知能革命の恩恵を受けて市場全体を大きく上回る上昇を見せています。この2年間で株価は800%以上の上昇を記録しており、同期間におけるS&P 500の上昇率58%と比較してもその優位性は明らかです。
しかし、技術進化や競争の激化に伴い、企業環境は常に変化しています。エヌビディアへの投資を検討している方、あるいは既に保有している方は、マーベル・テクノロジー（MRVL）のような他の成長企業にも注目してみると良いかもしれません。
マーベル・テクノロジーの実力と成長性
マーベル・テクノロジーは、エヌビディアと比較すると時価総額が小さく、投資家の注目を集めにくい企業ですが、AI技術の進化において重要な役割を担っています。同社はデータセンターのスイッチ、ハードドライブコントローラ、AI向けデジタル信号プロセッサ（DSP）など、さまざまな技術を製造しており、それらは5G接続機器、自動車、そしてAIデータセンターで活用されています。
最近では、毎秒1兆6000億ビットのデジタルデータを処理できる新製品「Aquila DSP」を発表しました。この技術は電力効率が高く、高密度データセンターでの活用が期待されています。また、同社の高帯域幅メモリ（HBM）モジュールは、AIプラットフォームにおいて25%高い計算能力を提供する設計となっています。これらの技術は、AI市場の成長を支える重要な要素といえます。
成長予測と市場ポジション
テクノロジー市場調査会社デルオロ・グループは、マーベルが手掛ける新しいデータセンタープロセッサ市場が今後5年間で年間平均200%の成長を遂げると予測しています。一方、グローバルHBM市場は2029年まで年率26%のペースで成長すると見られています。このような急成長市場において、マーベルはすでに競争力のあるポジションを確保しているといえます。
さらに、同社はアマゾン（AMZN）やアルファベット（GOOGL）のAIワークロードに特化したカスタムアクセラレータを共同開発するなど、大手テクノロジー企業と強固な関係を築いています。このような取り組みが評価され、アナリストは同社の目標株価を引き上げる動きを見せています。
株価の動向と今後の投資タイミング
マーベルの株価は、2022年末以来200%以上の上昇を記録しています。今年半ば以降は研究開発への取り組みが評価され、株価上昇がさらに加速しました。しかし、現在の株価は来期の1株当たり利益予想の40倍近くに達しており、一部の投資家にとって割高と映るかもしれません。
それでも、成長株においては目先の利益ではなく、5年後や10年後の利益に基づく長期的な視点が重要です。市場の一時的な調整があれば、それは買い増しの好機になる可能性があります。
マーベル・テクノロジーへの投資価値
エヌビディアの成功が証明しているように、AI市場におけるリーダー企業は投資家に大きなリターンをもたらす可能性があります。マーベル・テクノロジーもまた、AI技術市場の成長における重要なシェアを獲得するポテンシャルを秘めています。特にAIデータセンターや通信分野における同社の革新的な技術は、将来的な収益拡大を支える大きな柱となるでしょう。
株式投資において、重要なのは他者の意見に左右されることなく、自身の信念と十分な調査に基づいて判断することです。もしマーベル・テクノロジーの成長ストーリーに共感し、その将来性を信じるのであれば、現在の株価水準でも検討する価値があるといえます。
＊過去記事はこちら マーベル・テクノロジー MRVL