ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏ほどテクノロジーセクターに強気なウォール街のアナリストはほとんどいません。同氏は、人工知能(AI)が2024年以降もテクノロジー株を押し上げると予測しています。その予想には、具体的な企業やセクターへの言及も含まれています。
アップルが時価総額4兆ドルに到達する可能性
アイブス氏は、アップル(AAPL)が史上初めて時価総額4兆ドルに到達する企業になると述べています。その後、エヌビディア(NVDA)やマイクロソフト(MSFT)が続くと予測しています。これらの企業は、AIがデバイス、チップ、ソフトウェアの売上を押し上げるという「3重の裏付け」を持つとされています。
また、この予測は大手企業だけに留まらず、他の注目すべき企業にも及んでいます。
テスラやパランティアにも注目
アイブス氏は、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)について、2025年末までに時価総額が2兆ドルに達する可能性があると述べています。これは、現在の時価総額約1兆3600億ドルから大幅に増加することを意味します。
また、AIソフトウェア企業であるパランティア・テクノロジーズ(PLTR)については「飛躍の年」を迎えると指摘しています。同社はすでに高い評価を受けていますが、市場では依然として慎重な見方も見られます。
サイバーセキュリティセクターの成長にも期待
セクター別では、アイブス氏はサイバーセキュリティを挙げています。クラウドとAIの成長が加速する中、この分野は今後1年間で30%以上の上昇が見込まれると予測しています。また、M&A活動の活発化も成長を後押しすると考えられています。
過去の予測と現状の振り返り
アイブス氏の予測にはこれまで成功したものとそうでないものが混在しています。2024年にテクノロジー株が25%上昇するという予測は、現時点でほぼ実現しています。例えば、iShares U.S. Technology上場投資信託は水曜日の終値までで35%の上昇を記録しています。
一方で、特定の個別銘柄についての予測は、やや過大だったケースもあります。アップルが「AI App Store」の立ち上げにより2024年中に時価総額4兆ドルに到達するとしていた予測は、現在の時価総額3兆7300億ドルという状況に留まっています。また、テスラが3万ドル以下の電気自動車を2024年中に発表するとしていましたが、これも実現には至っていません。ただし、2025年初頭に低価格モデルが発表される可能性は引き続き期待されています。
テクノロジーセクターの未来に対する展望
AIやサイバーセキュリティ、電気自動車といった領域での成長を背景に、テクノロジーセクター全体が引き続き力強い成長を遂げると見られています。アイブス氏の予測によると、2025年までにテクノロジー株がさらに25%上昇する可能性があるそうです。
果たしてこの展望は実現するのか、今後の動向に要注目です。