スーパーマイクロ株価急落!JPモルガンの目標株価と会計リスクが投資家に与える影響とは?

スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の株価が12月10日の米国市場で下落しました。同社経営陣がポジティブなコメントを発表したものの、JPモルガン証券による「売り」評価を覆すには至りませんでした。

JPモルガン証券の見解と目標株価

JPモルガン証券のアナリストであるサミク・チャタジー氏は、同社の経営企画担当上級副社長マイケル・スタイガー氏、財務担当副社長クリシュナ・シャンカー氏と面会した結果をポジティブと評価しました。しかし、同氏は「アンダーウェイト」評価を繰り返し、目標株価を23ドルに据え置きました。これは、現在の40.54ドルの株価から約43%の下落を意味します。

スーパーマイクロの株価は、9日に6週間ぶりの高値で取引を終えた後、10日の取引で8.2%下落しました。

会計問題と上場廃止リスクの進展

チャタジー氏が11月に弱気判断を下した背景には、会計上の問題と上場廃止の可能性への懸念がありました。

その後、スーパーマイクロは評判の高い新しい監査法人を雇い、ナスダックが監査済み財務結果の提出期限を延長しました。これにより、上場廃止の可能性はほぼ排除されました。しかし、会計上の懸念が完全に払拭されたわけではありません。

また、エヌビディア(NVDA)のBlackwell半導体新ラインの発表が遅れたことも、スーパーマイクロの業績に影響を及ぼす要因として挙げられています。同時に、同社の利益率が長期目標の水準に回復するかどうかについても不透明な状況が続いています。

顧客基盤とグローバル展開

一部では、会計問題を理由にスーパーマイクロの顧客が発注先を他社に移すのではないかとの懸念もありました。しかし、チャタジー氏によれば、同社の顧客基盤は依然として堅調で、大きな変化は見られないそうです。

さらに、マレーシアでの事業縮小の可能性についての懸念に対して、経営陣はマレーシア工場の生産量が2025年前半に増加する計画を示しました。これにより、同社のグローバル展開は引き続き強化される見込みです。

利益率と中長期的見通し

スーパーマイクロの経営陣は、粗利益率が「徐々に改善」し、長期目標である14%〜17%のレンジに到達すると予測しています。マレーシア工場での事業拡大も、利益率の向上に寄与すると期待されています。

また、エヌビディアが2025年度下半期にBlackwell製品ラインの増産を計画しており、スーパーマイクロのカスタマイズ版市場での地位は堅調に維持されると考えられています。

株価動向と現在の評価

スーパーマイクロの株価は、11月に付けた18.01ドルの最安値から2倍以上上昇しましたが、依然として今年3月の高値118.81ドルから65.2%下落しています。このように株価は大きく変動しており、投資家にとって慎重な判断が求められます。

経営陣は現在の運転資金が「十分」であり、必要な流動性を確保しているとしています。これにより、事業の安定性は一定程度保たれると見られていますが、会計上の懸念や外部要因が完全に解消されるまでは、不安定な状況が続く可能性があります。

今後も同社の財務結果や市場動向を注視しながら、慎重に投資判断を行うことが重要です。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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