シースリー・エーアイ(AI)は、12月9日のマーケット終了後に予想を上回る決算を発表し、時間外取引で株価が大幅に上昇しました。特に注目すべきは、10月に終了した四半期の業績がアナリストの予想を大きく上回ったことです。
四半期業績の詳細
シースリー・エーアイは、10月で終了した四半期において、1株当たり6セントの損失を報告しました。この結果は、ファクトセットが追跡するウォール街のアナリストが予想していた16セントの損失と比較すると、損失幅が大幅に縮小しています。売上は9430万ドルに達し、こちらもアナリスト予想の9100万ドルを上回る結果となりました。
また、今後の業績見通しについては、今四半期の売上が9550万ドル〜1億500万ドルの間になる可能性が高いと予想しています。このレンジは、アナリストのコンセンサス予想である9760万ドルと比べると若干控えめです。
シースリー・エーアイのトーマス・シーベル最高経営責任者(CEO)は、「当社は、売上成長が加速する7四半期連続を記録する素晴らしい四半期を終えました」とコメントしています。
マイクロソフトとの戦略的提携
シースリー・エーアイはさらに、マイクロソフト(MSFT)との新たなグローバル提携を発表しました。この契約により、シースリー・エーアイのソリューションがマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「アジュール(Azure)」の全営業チームを通じて販売され、販売実績に基づいて手数料を受け取る形となります。
また、マイクロソフトは契約期間中、シースリー・エーアイのパイロットプロジェクトに対して助成金を支給することも発表しました。この契約は2030年3月まで有効です。
シーベル氏は「シースリー・エーアイをアジュールの優先AIアプリケーションプロバイダーとして確立し、マイクロソフト規模の市場開拓エンジンを構築することで、企業がシースリー・エーアイアプリケーションをより容易に導入できるようになります。これはエンタープライズAIの分野における重要な転換点となり、成長を大きく促進すると考えています」と述べています。
株価の動向
シースリー・エーアイの株価は、これらの発表を受けて時間外取引で一時16%上昇しました。今年に入ってからの株価は約45%上昇しており、ナスダック総合指数の年初来上昇率32%を上回っています。同社は、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が主導するAIソフトウェア部門への投資家心理の改善という追い風も受けています。
幅広い業界での活用
シースリー・エーアイは、製造業、金融サービス、政府機関、公益事業、石油・ガス、化学、防衛などの幅広い分野において、40以上の企業向けAIアプリケーションを提供しています。同社のウェブサイトによれば、これらのソリューションは多様な業界における効率化やイノベーションの推進に貢献しています。
シースリー・エーアイの最新の決算結果と戦略的パートナーシップは、同社の成長性と市場での競争力をさらに高めるものであり、投資家にとって大きな注目ポイントとなっています。