カリフォルニア州を拠点とするソフトウェア企業アプラビン(APP)の株価が12月9日に大幅に下落しました。同社はS&P 500指数への採用が期待されていましたが、今回のリバランスで追加されなかったことが影響しています。
アプラビンの株価は14.68%下落して342.54ドルとなり、2022年12月6日以来の大幅な下落率を記録しました。同社の株価は年初から775%もの上昇を見せていましたが、このニュースが投資家心理に影響を与えたと考えられます。
アプラビンの市場での評価と業績
金融情報誌バロンズは先週6日、アプラビンがS&P 500指数への採用候補として有望視されていると報じていました。同社は同指数に採用されていない企業の中で最大の時価総額を誇り、今後の成長性も高いと見られていました。しかし、実際に採用されたのはワークデイ(WDAY)とアポロ・グローバル・マネジメント(APO)の2社のみでした。
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アプラビンは2012年に設立され、アプリ開発者が新たなユーザー層にリーチできるよう支援するサービスを展開しています。特に社内人工知能プログラム「Axon」を通じてターゲティング広告を配信することが同社の事業の中心となっています。
9月30日締めの四半期における売上は前年同期比39%増の12億ドル、利息、税金、減価償却、償却前利益は72%増の7億2200万ドルと大幅な成長を記録しました。
アプラビンの株式公開とこれまでの株価推移
アプラビンは2021年4月、IPO価格80ドルでナスダック市場に上場しました。その後、同社の株価はIPO価格から330%上昇し、初取引日の終値からは427%の上昇を見せています。これまでの成長を反映して、同社は市場での注目を集めてきました。
S&P 500指数採用見送りによる影響
S&P 500指数への採用見送りを受け、アプラビンだけでなく競合他社の株価にも影響が見られました。例えば、トレードデスク(TTD)は3.12%下落し、株価は134.77ドルとなりました。
アプラビンにとって、S&P 500指数への採用はさらなる信頼性の向上と投資家からの関心を集める大きな機会となる可能性がありましたが、今回の結果を受け、今後の戦略に注目が集まります。投資家は引き続き同社の成長性と収益動向を注視する必要があります。