AMD株が急落!バンク・オブ・アメリカの格下げとAI市場の激戦を徹底分析

  • 2024年12月10日
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アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は、バンク・オブ・アメリカ証券が競争とパソコン市場への懸念を理由に格下げを発表したことを受けて、12月9日の米国市場の正午過ぎの段階で4.6%の下落を見せています。株価は132.2ドルとなり、8月7日以来の最低値を記録する形となりました。

バンク・オブ・アメリカによる格下げの背景

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ヴィヴェック・アリア氏は、AMDの格付けを「買い」から「中立」に引き下げ、目標株価を180ドルから155ドルに修正しました。この判断には、2つの主要な懸念があるとされています。

競争激化とAI市場の課題

第一の懸念は、人工知能(AI)向けチップ市場における競争です。AMDは、この分野でエヌビディア(NVDA)と激しく競り合っていますが、エヌビディアの圧倒的な市場優位性に対抗するのは容易ではないとされています。

エヌビディアは、グラフィック処理ユニット(GPU)の高い需要を背景に、AI関連銘柄の中でも特に注目されています。エヌビディアの時価総額は約3兆5000億ドルで、AMDの約2200億ドルと比べて大きな差があります。また、最新の四半期では、エヌビディアの売上は351億ドル、AMDの売上は68億ドルと大きな開きがあります。

さらに、主要なクラウドサービスプロバイダーであるアマゾン(AMZN)は、自社製品やエヌビディア製品を選好する傾向があり、AMD製品への需要は限定的であるとされています。また、アルファベット(GOOGL)も同様に、自社製品やエヌビディア製品を重視していることが指摘されています。

パソコン市場における需要低下の可能性

アリア氏が挙げる第二の懸念は、2025年前半にパソコンプロセッサの需要が減少する可能性です。同社の最高経営責任者(CEO)であるリサ・スー氏は、2024年第3四半期の売上について「データセンターおよびクライアントプロセッサの売上が大幅に増加し、前年同期比で18%増の68億ドルという過去最高を達成した」と述べています。しかし、この成長が持続可能であるかどうかは不透明だとアリア氏は懸念しています。

AMDの未来への期待と課題

それにもかかわらず、アリア氏は「AMDの一貫した経営手腕には引き続き感服している」と評価し、インテル(INTC)の市場での混乱から利益を得ている点や、AI市場への参入による成長の可能性に注目しています。同氏は、AMDが15〜20%の売上成長を維持できる可能性があるとしています。

株価の現状と市場全体との比較

2024年に入って、AMDの株価は10%あまり下落しています。一方、テクノロジー関連銘柄の比重が高いナスダック総合指数は31%上昇しており、AMDのパフォーマンスは市場全体と比べて大きく劣る結果となっています。

まとめ

AMDは、AI市場やPC市場における競争の激化に直面しており、これが株価に影響を与えています。しかし、長期的な成長の可能性を秘めた企業であり、今後の動向に注目が集まっています。特に、AI市場でのポジションの確立や、主要顧客との関係構築が鍵となりそうです。

*過去記事はこちら  AMD

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