2021年11月、NFL選手オデル・ベッカム・ジュニアは、自身の年俸をビットコイン(BTC)で受け取るという大胆な決断をしました。ワイドレシーバーとしてフィールドで華麗にパスをキャッチするベッカムが、今回は投資の場でも果敢に「パス」を受け取ったのです。当時ロサンゼルス・ラムズの選手だった彼は、750,000ドルの年俸をビットコインに変換する契約を、ブロック(SQ)のCash Appを通じて締結しました。現在はマイアミ・ドルフィンズで活躍するベッカムですが、この動きは一部の人々から「愚かだ」と批判されました。
しかし、ビットコインの価格が10万ドルを突破した今、ベッカムの選択が改めて注目されています。
2021年の「暗号資産ブーム」とベッカムの選択
2021年は、多くのスポーツ選手が暗号資産やNFTに注目し始めた年でした。たとえば、NFLのスター選手トム・ブレイディは、現在は破綻した暗号資産取引所FTXとの契約で暗号資産を受け取り、サクオン・バークリーは自身のスポンサー収入をすべてビットコインで受け取ると公表しました。また、トレバー・ローレンスは、ビットコインとソラナのミックスで契約金を受け取りました。
他にも、リオネル・メッシ、マイク・タイソン、アーロン・ロジャース、クリスティアーノ・ロナウド、大谷翔平といったスポーツ界の著名人が暗号資産やNFTプロジェクトに関わっています。
ビットコイン価格とベッカムの収益
ベッカムが750,000ドルの年俸をビットコインに変換したのは2021年11月12日。このときビットコインの価格は1BTCあたり64,158ドルでした。しかし、その後の「暗号資産の冬」と呼ばれる価格低迷期により、彼の暗号資産は一時401,500ドルにまで価値が下がったと報じられています。
ところが2024年、ビットコインの価格はついに10万ドルを突破。そのため、もしベッカムが年俸全額を一括でビットコインに変換していた場合、その資産は現在約1,168,900ドルに達している計算になります。
ただし、ベッカムが全額を一度にビットコインに変換したのか、数回に分けて購入したのかは不明です。また、所得税や売却した場合のキャピタルゲイン税も考慮する必要があります。
トランプ大統領と暗号資産市場の追い風
2024年、暗号資産市場は大幅な回復を見せています。特に、ドナルド・トランプ氏が大統領選挙で勝利した後、ビットコイン価格の上昇が加速しました。かつて暗号資産を「詐欺」と呼んでいたトランプ氏ですが、現在はデジタル資産を公然と支持し、アメリカを「暗号資産の中心地」にする計画を発表しました。
まとめ:ベッカムの決断が示す未来
暗号資産市場は依然として不確実性が高いものの、オデル・ベッカム・ジュニアのように、リスクを取ることで将来的に大きなリターンを得る可能性があることを示しています。特にビットコインが10万ドルを超えた2024年の現在、彼のような選手の動きが新たな投資の潮流を形成するかもしれません。