ソフトウェア会社のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、連邦政府の防衛請負業者であるブーズ・アレン・ハミルトン(BAH)との提携を発表したことで、株価が急上昇しました。同社の株価は12月6日の米国市場で一時6.3%上昇して76.36ドルに達し、終値ベースで過去最高値を更新する勢いを見せています。今年に入ってから株価は340%を超える上昇を記録しています。
ブーズ・アレン・ハミルトンとの提携内容
今回の提携は、「国防ミッションの革新を加速し、米国の軍事的優位性を維持する」という目的で発表されました。このパートナーシップは、パランティアが2020年から続けているBAHとの協力関係をさらに強化するものです。
また、パランティアは2008年から米陸軍とも提携しており、同社の売上の大部分は政府機関からのものです。同社は第3四半期の政府機関からの売上が前年同期比で40%増加したと発表しています。
アナリストの評価と課題
一方で、ウィリアム・ブレアのアナリストは、パランティアが2025年までに45億ドルの売上目標を掲げているものの、達成には遅れが生じていると指摘しています。アナリストチームは、同社の売上が目標を7億ドル以上下回る見込みであると予測しています。
また、BAHはパランティアのライバル企業であるデータブリックスやスノーフレーク(SNOW)とも提携しており、この提携がパランティアの売上に大きな影響を与える可能性は限定的であると述べています。
米国防総省の評価と競争環境
BAHは、データブリックスとの提携により、データ分析プラットフォーム「Advana」を構築しました。米国防総省はこのAdvanaを「国防総省最大のビッグデータプラットフォーム」と位置づけており、パランティア製品よりも優先的に採用されています。
こうした状況を踏まえ、ウィリアム・ブレアはパランティアの格付けを「アンダーパフォーム」と評価しています。
新たな認証取得とナスダック100への期待
パランティアは3日、FedRAMP の高度認証を取得したことを発表しました。この認証により、政府は同社の製品群を機密性の高い作業負荷にも使用できるようになります。このニュースを受け、株価はさらに上昇しました。
また、同社はナスダック100への新規採用候補リストで首位に立っており、インデックスの変更は12月13日に発表される予定です。この動きが今後の株価にさらなるポジティブな影響を与えると期待されています。
まとめ
パランティア・テクノロジーズは、ブーズ・アレン・ハミルトンとの提携や新たな認証取得など、積極的な取り組みを通じて注目を集めています。しかし、競争環境は厳しく、目標達成にはさらなる課題が残されています。同社の動向は、今後も投資家や市場の関心を引き続き集めることが予想されます。
*過去記事はこちら パランティア PLTR