ベリント・システムズ(VRNT)は、第3四半期において予想を上回る好業績を報告し、その株価が12月5日に大幅上昇しました。同社は調整後利益が1株あたり54セント、売上高が2億2420万ドルを記録。市場予想を大きく上回る結果となりました(アナリスト予想:調整後利益1株あたり43セント、売上高2億1010万ドル)。
同社の株価は23%上昇して31.96ドルに到達。これは2021年2月以来の1日での最大上昇率であり、終値としては8月1日以来の高値を記録しました。
第3四半期の業績詳細と株式市場での動向
ベリント・システムズは、第3四半期の好業績を受け、通年の業績見通しを維持。売上高約9億3300万ドル、1株当たり調整後利益2.90ドルを目指すと発表しました。同社は、AI技術を活用した顧客体験管理(CX)ソフトウェアのリーダーとして、保険業界や通信業界など幅広い顧客基盤を持っています。
一方で、競合他社の株価は下落する動きを見せました。例えば、セールスフォース・ドットコム(CRM)は1.76%下落して361.38ドルとなっています。
AI戦略と製品イノベーションの進展
ニューヨークを拠点とするベリント・システムズは、人工知能(AI)の採用を加速しています。最新のAI支援型「スコアリングボット」を発表し、さらに匿名の銀行との間で1100万ドルの契約を締結しました。同社のクラウドベースのオープンプラットフォームは、多くの顧客に目に見える成果をもたらしており、ウェドブッシュのアナリストも「AIイノベーションのさらなる勢い」を評価しています。
CEOのダン・ボドナー氏は、第3四半期の成功について「AIによるビジネス成果への強い需要」と「ハイブリッドクラウドモデルへの熱狂」を指摘しています。
アナリストの見解と目標株価
ウェドブッシュのアナリストは、同社株式の格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を38ドルに設定。一方でエバコアISIのアナリストチームは、AIボットの幅広い展開が粗利益率に与える影響に注意を促しています。これにより転換が遅れる可能性があるとしつつも、同社の株式を引き続き「価値ある投資対象」として評価。目標株価を34ドルに引き上げています。
今後の展望
ベリント・システムズの第3四半期業績は、同社のAI技術とクラウドプラットフォームへの投資が実を結びつつあることを示しています。一方で、競争の激しい市場環境において利益率を維持しつつ、さらなる成長を遂げるための戦略が求められています。投資家は、今後の再加速の可能性を注視することが重要となります。