エヌビディアに代わる選択肢!マーベルが示すAI投資の新たな道

チップメーカーであるマーベル・テクノロジー(MRVL)は、人工知能(AI)プロセッサの需要増加に対応し、AI市場における重要なプレイヤーとしての地位を確立しつつあります。同社の最新の決算発表後、株価は大幅に上昇し、投資家の注目を集めています。

売上の好調で株価が大幅上昇

10月期の売上が市場予想を上回ったことを受け、マーベルの株価は12月4日の米国市場の正午過ぎの段階で21.83%上昇し、116.85ドルに達しました。同社はデータストレージおよびネットワークチップの設計会社としての基盤を持ちながら、AI向けのカスタムチップ市場で売上を拡大しています。

昨年から今年初めにかけて、AI事業の成長期待に応えられなかったことから株価は下落傾向にありましたが、直近の2回の決算ではその流れが変わりました。AI関連事業での利益拡大が評価され、同社の事業は新たなステージに進んでいます。

顧客リストには主要IT企業が名を連ねる

アナリストらによると、マーベルの顧客リストにはアルファベット(GOOGL)のGoogle、アマゾン(AMZN)のAmazon Web Services、マイクロソフトが含まれるとされています。これらの企業はエヌビディア(NVDA)のハードウェアを活用している中で、マーベルの提供するAIチップが差別化要因となっています。

ベンチマーク・リサーチのアナリストであるコーディ・アクリー氏は、「マーベルは、売上の73%をAIおよびデータセンター市場から直接得ており、エヌビディア以外のAIおよびデータセンター関連取引で投資家にとってユニークな選択肢を提供している」と述べています。また、同氏は目標株価を115ドルから135ドルに引き上げ、引き続き買い推奨を維持しています。

AI関連売上の予測が市場期待を上回る

UBSのアナリスト、ティモシー・アルクーリ氏によると、マーベルは次期会計年度にAI関連売上として約36億ドルを計上する可能性があり、これは目標の25億ドルを大きく上回ります。同氏は目標株価を110ドルから115ドルに引き上げ、買い推奨を維持しています。

アルクーリ氏は、「ガイダンスは市場や投資家の期待を上回り、従来の事業が回復を続ける中で、2026年度に向けたAIを活用したマーベルの事業の加速が期待できる」と述べています。

株価収益率(PER)の観点での評価

マーベルの株価は、ファクトセットによると予想PER(株価収益率)で約41倍で取引されています。これはエヌビディアの34倍を上回る水準です。投資家はこの高いPERを、同社のAI関連事業の成長ポテンシャルとみなしています。

CEOのコメントが株価にプラス材料

インテルがマーベルのマーフィーCEOに次期CEO就任の可能性について接触したとの報道がありましたが、マーフィー氏は「100%マーベルに集中している」と述べています。このコメントは同社株にとってポジティブな影響を与えました。

AI市場での競争と他社への影響

マーベルにとって良いニュースは、AI向けカスタム・アプリケーション特化型集積回路市場におけるライバル企業であるブロードコム(AVGO)にも当てはまるとされています。4日のブロードコムの株価も0.6%上昇しました。

まとめ

マーベル・テクノロジーは、AI市場において成長を遂げる企業としての存在感を増しています。同社の売上構造がAIおよびデータセンター事業にシフトする中で、エヌビディア以外の選択肢を求める投資家にとって注目すべき企業です。主要な顧客と堅実な業績見通しにより、同社は引き続き成長を続けると考えられます。

*過去記事「マーベル・テクノロジー株価急騰!AIチップ市場での圧倒的存在感とは?

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