スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株価が12月2日の米国市場で大幅に上昇しました。同社が会計に関する内部調査を終了し、不正や不祥事が見つからなかったと発表したことが要因です。この調査は、監査法人の辞任と決算発表の延期の理由を究明するために行われていました。
先週金曜の11月29日には株価が6.9%下落し、さらにプレマーケットでも下落していましたが、2日には一転して30%を超える急騰を見せ、正午過ぎには43.97ドルまで上昇しました。
株価の最近の動向
スーパーマイクロの株価は、3か月前と比較すると約11%低い水準にありますが、過去30日間では約50%上昇しています。同社の株価は、人工知能(AI)関連の熱狂に影響を受けており、特に11月の19営業日のうち10日間は10%以上の大きな価格変動が見られました。
同社のサーバーはAIアプリケーションに対する需要が高く、この点が市場の注目を集めています。しかし、決算報告書の提出遅延や監査法人の変更といった会計上の問題が、株価の乱高下を引き起こしている側面もあります。
内部調査の結果と次のステップ
スーパーマイクロは2日の声明で、特別委員会による徹底的な調査を完了したと発表しました。調査の結果、前監査法人の辞任時に挙げられた懸念事項が事実によって裏付けられていないことが確認されました。現在、独立監査法人BDOがアーンスト・アンド・ヤングの後任として財務状況の再調査を行っています。
さらに、同社はこれから財務報告書の提出を再開し、過去の報告書の修正は必要ないと述べました。しかし、ナスダックからの上場廃止のリスクは完全に解消されたわけではなく、最新の四半期報告書や業績報告書の提出が引き続き求められています。
また、同社は新しい最高財務責任者(CFO)の選定を開始すると発表しました。現職のデイビッド・ウェイガンド氏は、後任が決まるまで職務を継続します。
大手ヘッジファンドもスーパーマイクロを注目
世界最大のヘッジファンドの一つであるブリッジウォーター・アソシエイツは、第3四半期にスーパーマイクロ株の保有を増加させたことが明らかになりました。ブリッジウォーターは、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の株式も増やす一方で、エヌビディア株を売却しています。
スーパーマイクロは11月29日の取引でS&P 500種指数内で最もパフォーマンスが悪い銘柄となっていましたが、2日には一転して注目を集める結果となりました。
今後の展望
スーパー・マイクロ・コンピュータは、AI関連需要の高まりを背景に市場からの注目を集めていますが、会計上の透明性を確保し、信頼性を回復することが引き続き重要な課題となっています。同社の次の四半期報告書の発表が、株価のさらなる安定化や上昇の鍵となりそうです。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI