テスラ(TSLA)は、最高レベルの運転支援ソフトウェア「フル・セルフ・ドライビング(FSD)」の新バージョン13を顧客向けに展開開始したと発表しました。このニュースは11月30日の夜、アショク・エラスワミ氏(AIソフトウェア担当副社長)によるツイートで明らかになり、投資家の間で注目を集めています。
FSDバージョン13のアップデート内容
最新バージョンのFSDは、「エンドツーエンドの運転ネットワークのあらゆる部分をアップグレードする」とリリースノートに記載されています。これにより、運転の精度と機能が大幅に向上することが期待されています。さらに、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏も「It’s Alive!(生きている!)」とコメントを残し、期待感を一層高めました。
また、新機能として駐車スペースから車がバックで出てくる様子を捉えた動画がSNSで公開され始めています。このような機能は、テスラが目指す完全自動運転車への進化を示す一例です。
テスラのロボットタクシー構想と市場競争
テスラは、FSDを搭載した車両を利用して2025年後半にロボットタクシーサービスを開始する計画です。マスク氏によれば、FSDは2025年初頭までに人間の運転手を超える性能を実現する見通しとされています。このサービスが実現すれば、同業のライバルであるアルファベット(GOOGL)傘下のウェイモと直接競争することとなります。
ウェイモはすでに毎週15万回以上の自動運転タクシーサービスを提供していますが、テスラの高度なAI技術と膨大な車両データに基づくシステムが競争を激化させる可能性があります。
規制緩和への期待とマスク氏の政府連携
マスク氏は、次期大統領のドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンを支援したことで、連邦政府との関係を強化しました。マスク氏のこの動きにより、投資家はテスラが厳しい自動運転規制を回避し、事業展開を迅速に進めることができると期待しています。
テスラの株式とAI/自動運転技術の将来性
ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は、テスラのAIと自動運転技術に対して1兆ドルの評価を付けています。同氏はテスラ株を「買い」と評価し、目標株価を400ドルと設定しました。
2024年に入ってからテスラ株は約39%上昇し、S&P 500の上昇率を大きく上回っています。この成長は、同社の技術革新と投資家の期待感を背景にしています。
テスラのFSD進化がもたらす未来
FSDバージョン13のリリースは、テスラの自動運転技術の進化とその可能性を示しています。同社のロボットタクシー事業が本格化すれば、新たな収益源となり、企業価値をさらに高めることが予想されます。
テスラが次なるステージに向かう中、投資家にとっても注目すべき動きが続いています。今後の開発と市場動向に注視していくことが重要となります。
*過去記事はこちら テスラ TSLA