アップル(AAPL)の株価は過去数年で驚異的な成長を遂げ、1兆ドルを超える上昇を記録しました。この成長の背後には、他の企業には真似できない3つの重要なダイナミクスがあります。スーパーブルと呼ばれ、アップルの超強気派で知られるウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏が指摘するこれらのポイントについて解説します。
未曽有のインストールベース:20億台を超えるiOSデバイス
アップルの成功の基盤には、20億台を超えるiOSデバイスと15億台以上のiPhoneという「未曽有のインストールベース」があります。さらにそのうちの約3億台がアップグレードのタイミングに差し掛かっています。この強力なデバイスのエコシステムは、アップルが市場での圧倒的な競争優位性を保つ鍵となっています。
2兆ドル規模のサービス事業
アップルのサービス事業の価値は現在約2兆ドルに達しており、同社の売上構造を大きく支えています。このサービス事業は、既存の顧客基盤をさらなる売上に結び付けることで成長を続けています。
特に注目すべきは、今後数年間で世界の人口の20%以上がアップルデバイス上でAI機能を利用することになるという見通しです。これにより、アップルのエコシステム内でのAI導入が急速に進むと期待されています。
iPhone 16の成功とAIの進化
アップルは2024年9月に次世代のiPhone 16を発表しました。このモデルには、生成AIを活用した新機能が搭載され、特に「Apple Intelligence」や「Visual Intelligence」などの機能が注目されています。これらの革新的なAI機能は、最新のiOS 18.1アップデートで利用可能になり、 来週にはさらに進化したiOS 18.2のリリースが予定されています。
iOS 18.2では、ChatGPTの統合や画像処理機能「Image Playground」など、より高度なAI機能が追加される予定です。特に、中国市場でのAI機能の展開が2025年4月に予定されており、この時期に中国の技術パートナーも発表される見込みです。
長期的な成長への展望
ウェドブッシュ証券のアナリストたちは、iPhone 16の成功がアップルに新たな成長の局面をもたらすと予測しています。2025年までに2億4000万台以上のiPhoneが販売される可能性が高く、これは同社の歴史上最高の販売数となる見込みです。
株価と市場評価
2024年のアップル株価はすでに年初来で23%上昇しており、同社の時価総額は3.5兆ドルを超え、世界で最も価値のある企業としての地位を確立しています。ウェドブッシュは、12カ月間後の目標株価を300ドルに設定しており、現在の株価から約26%の上昇余地を見込んでいます。
アップルの成長を牽引するこれらの要因は、同社が単なるハードウェアメーカーにとどまらず、サービス事業やAI技術を通じて未来を形作る企業であることを証明しています。この先の1年半で、アップルがどのように進化していくのか注目が集まります。
*過去記事はこちら アップル AAPL