エヌビディア(NVDA)は、先週の第3四半期決算発表以来株価が下落傾向にありましたが、11月最終取引日である29日に上昇に転じました。同社の株価は2.15%上昇し、138.25ドルとなりました。この動きは、米国市場での半導体セクター全体の上昇と一致しています。
ブルームバーグが米国政府による中国へのチップ販売規制が予想ほど厳しくない可能性を示したことが市場を後押ししたとされています。このニュースは、28日に欧州の半導体株の上昇を導いた背景ともなりました。
欧州の半導体企業が上昇
欧州の半導体関連企業のADRも恩恵を受けています。チップ製造に使用されるリソグラフィ装置を製造するオランダのASMLホールディング(ASML)の株価は2.4%上昇しました。前日が感謝祭で休場だったため、このセクターは29日の半日取引で遅れを取り戻そうとする動きが見られました。
米国の半導体株も好調
米国の半導体企業も全般的に好調でした。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は0.69%上昇しました。一方、チップ製造装置メーカーであるアプライド・マテリアルズ(AMAT)は1.98%、ラムリサーチ(LRCX)は3.23%の上昇を記録しました。
エヌビディアの株価、年初来179%上昇も短期的には調整
エヌビディアの株価は今年に入り179%の上昇を見せる好調な1年となっています。しかし、第3四半期の売上を発表して以降、株価は7.2%下落し、27日までの1週間で約5%下落していました。デル・テクノロジーズ(DELL)の売上が市場予想を下回ったことや、次期大統領ドナルド・トランプ氏の中国に対する追加関税の示唆が、短期的な株価に影響を与えました。デルはエヌビディアの主要顧客であり、一部のAI製品で協業関係にある企業です。
投資家にとっての見通し
エヌビディアやその他の半導体企業が示す短期的な株価変動は、業界全体の調整局面と捉えられます。ただ、ホリデーシーズンを迎え、投資家は市場の短期的なノイズから距離を置く場面が訪れているとも言えそうです。
全体として、半導体セクターは依然として成長余地を抱えています。米国政府の政策や主要企業の売上動向が引き続き注目されるポイントです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA