11月27日、ソフトウェア企業ワークデイ(WDAY)の株価が午前の段階で-6.4%と大幅に下落しました。これは、同社が前日に発表した今四半期および来年度の売上見通しが市場予想を下回ったことが主な要因とされています。
アナリストたちは依然としてワークデイの株式を高く評価しており、その背景には同社の人工知能(AI)ツールに対する強い需要があります。しかし、市場の反応は厳しいものとなりました。
第3四半期の業績は市場予想を上回る
ワークデイは、10月に終了した第3四半期の調整後利益を1株あたり1.89ドルと発表しました。この数字はファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想である1株あたり1.79ドルを上回っています。また、売上は21.6億ドルで、こちらも市場予想の21.4億ドルを上回る結果となりました。
第4四半期および会計年度の見通しが市場予想を下回る
それにもかかわらず、同社が発表した今後の売上見通しが株価に影響を与えたと考えられます。第4四半期のサブスクリプション売上は20億2500万ドルと予測されており、ウォール街の予想である20億4000万ドルを下回りました。
さらに、1月に終了する会計年度の売上予測は77億3000万ドルで、アナリスト予測(77億1500万ドル)をわずかに上回るものの、同社が以前提示した予測範囲の下限にも達していませんでした。また、年度のサブスクリプション売上予測は88億ドルとされ、こちらも市場予想の88億9000万ドルを下回る結果となっています。
売上認識のタイムラグに言及
ワークデイの経営陣は決算に関する電話会議で、当四半期にいくつかの大型戦略的契約を締結したものの、それらが売上として認識されるまでには時間がかかると説明しました。最高財務責任者(CFO)のゼイン・ロウ氏は、「来年中には売上が増加すると見込んでいます」と述べています。
アナリストの評価は依然として高い
ワークデイの株式をカバーしているアナリストの70%以上が、引き続き買い推奨を維持しています。その理由の一つは、AI分野での需要の高まりです。
ウィリアム・ブレアのジェイク・ロベルジュ氏は「ワークデイは新しいAIソリューションによって素晴らしい勢いを得ている」とコメントしています。また、エバコア証券のカーク・マターヌ氏もAI需要に注目し、「第4四半期に堅調な上振れや増額修正があれば、今回の株価下落は一時的な調整に過ぎない可能性がある」と指摘しています。同氏は目標株価を310ドルに据え置きました。
AI需要が鍵となるワークデイの今後
AI分野での勢いを持つワークデイは、短期的な株価の調整を受けつつも、引き続き高い需要が見込まれています。今後の業績における改善や、新たな戦略的契約の売上認識がどのように反映されるかが注目されます。