マイクロストラテジーの急落とビットコインの影響:トランプラリーの暗雲

  • 2024年11月27日
  • 2024年11月27日
  • BS余話

11月26日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比123ドル高の4万4860ドルで取引を終え、5営業日連続で続伸しました。しかし、注目されるのは掲示板サイト「レディット」で人気を集めていたミーム株の代表格、マイクロストラテジー(MSTR)の大幅下落です。この急落がトランプラリーに水を差す形になり、市場の雰囲気に変化が見られます。

MSTR株の急落と個人投資家の悲鳴

MSTR株は26日、12.33%安となり、個人投資家の間で動揺が広がりました。掲示板には「MSTRで全てを失った」「MSTR株は再浮上するのか」といった投稿が殺到しています。同社は全体の発行高のおよそ2%にあたる38万6700ビットコインを保有しており、ビットコイン価格の動向に強く依存しています。しかし、ビットコイン価格の下落がMSTR株に影響を与え、短期的な投資家心理に大きな影響を及ぼしています。

MSTRがミーム株として注目された理由

MSTR株が個人投資家の注目を集めた理由は、その値動きの大きさにあります。大統領選があった11月5日から最近の高値までの上昇率は約140%に達し、ビットコインの約40%の上昇率を上回りました。同社は10月30日に公募増資を通じて420億ドルを調達し、22日にはその資金でビットコインを追加購入したと発表しました。創業者のマイケル・セイラー氏は「ビットコインの値動きを上回るためにレバレッジを活用している」と説明しており、この大胆な戦略が多くの投資家の興味を引いてきました。

ビットコイン関連株のリスクとMSTRの課題

MSTR株の時価総額は約800億ドルである一方、同社が保有するビットコインの時価総額は約350億ドルに過ぎません。この乖離が市場の懸念を生んでいます。特に空売りを得意とするシトロン・リサーチが「MSTRはビットコインの基礎的条件と乖離している」と指摘し、空売りを開始したことが市場の警戒を強めました。

ビットコイン自体も最高値から1割近く下落しており、個人投資家やトレーダーにとって難しい局面を迎えています。今後、MSTR株やその他の暗号資産関連株は、ビットコインの価格動向と密接に連動しながら新たな展開を迎える可能性があります。

暗号資産市場の今後の見通し

現在、ビットコイン価格は10万ドルに迫るかどうかという注目を集めていますが、プットオプションの影響でその水準の直前で足踏みしています。ドナルド・トランプ氏が次期大統領に就任するまで、規制緩和などの大きな材料は期待しづらいものの、暗号資産市場の熱狂が再び加速する可能性も考えられます。

一方で、市場全体はファンダメンタルズに基づく冷静な判断を求められる段階に移行しつつあります。特に、暗号資産関連銘柄への投資は、その価格変動性と市場動向を慎重に見極める必要があります。

米株式市場と暗号資産関連株の動向は、引き続き個人投資家や機関投資家にとって注目すべきテーマです。特にミーム株の値動きやビットコイン市場の動向が、全体の投資戦略に与える影響を見逃さないようにすることが重要です。

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