スーパーマイクロ、上場廃止の危機を回避か

スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株価が急上昇を続けています。同社は先週、ナスダック市場での上場廃止リスクを回避するための計画を発表しました。それにより、株価は過去5営業日で記録的な上昇を見せ、11月25日に一時15%の上昇を記録。1か月ぶりの高値となる38.10ドルで取引されまました。

新監査法人の任命と上場維持計画

スーパーマイクロは、新たにBDOを独立監査法人として任命し、ナスダックの上場要件を満たすための具体的な計画を提出したと発表しました。この発表を受け、株価は大きく反発し、短期間で大幅な上昇を記録しました。

しかしながら、株価は今年3月に記録した最高値からは依然として67%下落しています。それでも、過去1か月間での上昇率は目覚ましく、2月以来の最高の上昇ペースとなっています。

投資家にとっての課題

スーパーマイクロには依然としていくつかのリスク要因が残されています。BDOは同社の財務報告書を再作成する必要があり、これによりさらなる提出遅延や期限未達のリスクが高まる可能性があります。同社は、6月30日終了の会計年度に関する年次報告書(フォーム10-K)と、9月30日終了の四半期報告書(フォーム10-Q)を提出できる見通しだとしていますが、実際の進捗状況次第では状況が変わる可能性があります。

利益率の低下とAI需要の懸念

株主の間では、利益率の低下が一段と深刻化するのではないかという懸念が広がっています。過去2年間、人工知能(AI)分野の需要急増が多くのハイテク企業の株価を押し上げてきましたが、その成長が鈍化する可能性が指摘されています。

これにより、スーパーマイクロの収益性がさらに圧迫されるリスクがあると考えられています。AI分野への依存が強い同社にとって、今後の需要動向は重要な鍵を握る要因です。

まとめ

スーパー・マイクロ・コンピュータの株価は、上場廃止リスクを回避する計画を受けて急回復を見せていますが、いくつかの課題が残されています。財務報告書の再提出が滞れば、さらなる問題を引き起こす可能性があります。また、AI需要の成長鈍化への懸念も、同社の将来に影響を及ぼす可能性があります。

投資家にとっては、同社の報告書提出の進捗や利益率の推移、そしてAI市場の動向に注目することが重要です。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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