エヌビディアは、2025年度第3四半期(2024年10月27日終了)においても驚異的な売上成長を達成し、人工知能(AI)インフラの分野で圧倒的な存在感を示しました。この成長は、巨大企業であるエヌビディアがなおも驚異的な実績を上げ続けていることを裏付けています。年初来で株価が約3倍に上昇する中、エヌビディアの最新業績と今後の展望について詳しく見ていきます。
売上成長の概要
エヌビディアの2025年度第3四半期の売上は、前年同期比94%増の351億ドルに達しました。今年度の売上成長率は第1四半期に262%、第2四半期に122%と推移しており、成長はやや緩やかになりつつありますが依然として高水準を維持しています。また、調整後1株当たり利益(EPS)は0.81ドルと、アナリスト予想の0.75ドルを大きく上回りました。
特にデータセンター事業が売上成長を牽引しており、同事業の売上高は前年同期比112%増の308億ドルに達しました。エヌビディアのH200 Hopperチップや次世代Blackwell GPUアーキテクチャに対する需要が、この成長を大きく支えています。
データセンター事業の成長とAI需要
エヌビディアのデータセンター事業は、クラウドサービスプロバイダーによる需要が引き続き強く、同四半期の売上の約半分を占めました。同時に、企業向けAIの成長も加速しています。多くの企業がエヌビディアの推論マイクロサービス「Nvidia NIM」を採用し、GPUを用いた大規模言語モデル(LLM)の実行を実現しています。
また、産業用およびロボットAIの分野でも需要が拡大しており、AIインフラ市場全体でのエヌビディアの存在感が高まっています。今後もHopperおよびBlackwell GPUを中心に、需要はさらに増加すると見られています。
その他の部門の業績
データセンター以外の事業も堅調に推移していますが、規模はやや小さめです。
- ゲーム部門:売上高は前年同期比15%増の33億ドル。
- プロフェッショナル・ビジュアライゼーション部門:売上高は17%増の4億8600万ドル。
- 自動車およびロボット部門:売上高は72%増の4億4900万ドル。
これらの部門も成長しているものの、主力事業であるデータセンター事業の勢いには及びません。
強固な財務基盤
エヌビディアの営業キャッシュフローは176億ドル、フリーキャッシュフローは162億ドルに達しました。同社は純キャッシュおよび市場性有価証券として385億ドルを保有しており、負債は85億ドルにとどまっています。この健全な財務基盤が、同社のさらなる成長を支える土台となっています。
今後の成長見通し
エヌビディアは2025年度第4四半期の売上を375億ドルと予測しており、前年比約70%の成長が見込まれています。次世代GPUアーキテクチャであるBlackwellに対する需要は現在の供給を大幅に上回っており、これが同社の売上を大きく押し上げる見込みです。
また、同社は基礎モデルのGPU使用量が大幅に増加していることに注目しており、これが今後の推論ビジネス拡大につながると考えています。
エヌビディアの株価は買い時か?
エヌビディアの株価は年初来で約3倍に上昇していますが、現在の株価収益率(P/E)は来年のアナリスト予想ベースで34倍強、株価収益成長率(PEG)は0.85となっています。一般的にPEGレシオが1未満であれば割安とされるため、エヌビディアの株価は魅力的な水準にあるといえます。
AIインフラへの需要が引き続き高く、同社の製品が多くの企業に採用されていることを考えると、今後の成長ポテンシャルは非常に高いといえます。
まとめ
エヌビディアは引き続き驚異的な成長を遂げており、特にデータセンター事業を中心にAI需要の高まりを享受しています。同時に、堅固な財務基盤と他部門での成長も見逃せません。AIインフラ市場のリーダーとして、今後も高い需要を見込めるエヌビディアは、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA